【意外な落とし穴に注意】憧れのクルマに手が届きやすい「残価設定ローン」 残価、保証されない場合も
「残価設定ローン」で支払い少なく
text:Kouichi Kobuna(小鮒康一) クルマを購入するときに必ず発生するのが支払いだ。 【写真】「残価設定」のほかに「サブスク」も隆盛【高級モデルも】 (111枚) 本来であれば一括支払いできればベストではあるが、先行きの不透明なこのご時世、クレジット(ローン)を組んで購入する人も少なくないだろう。 また、ワンランク上の憧れのクルマを手にするために、足りない分をクレジットで支払うというのもよくある話だ。 基本的にクレジットを組む場合は、月々の支払い可能な額を念頭に置いて何回払いにするのか、頭金はどのくらい入れるのかなどを逆算することが一般的だろう。 当然ながら支払い回数を増やせば月々の支払額を減らすことはできる。ただその分金利が多くかかってしまうため、その場合は頭金の額で調整するというのが常識だった。 とはいえ、当然ながら頭金は現金で用意しなければならないため、手持ちの予算が足りなければどうすることもできない。 その場合、月々の支払い額を減らすためにはオプションを減らしたり、グレードを下げたり。場合によっては車種の変更も余儀なくされるというのが当然のことであった。 しかし、最近では「残価設定ローン」というものが登場し、これを使用することで無理することなく月々の支払い額を減らすことができるようになってきている。 では、「残価設定ローン」というものは一体どのような仕組みになっているのだろうか?
残価設定ローンとはどんなものか?
いわゆる「残価設定ローン」というものは、そのクレジットの支払い最終回の時点での車両の価値を鑑みて、その額を差し引いた額でクレジットを組むというものだ。 例えば総額300万円の車両を5年の残価設定ローンで購入するとする。 このとき、5年後のそのクルマの市場買い取り額を100万と想定した場合、実際にクレジットを組む額は200万ということになる。 つまり、未来のそのクルマの価値を逆算し、その分をあらかじめ差し引いた額でクレジットを組むことができるというわけだ。 月々の支払い額を減らすためにとにかく支払い回数を増やしてクレジットを組み、クルマを売却して残債を清算するという方法もある。 それに似た方法と言えるかもしれないが、その場合は元金が大きくなることで金利分が増えるというデメリットが発生してしまう。 残価設定ローンの方が有利と言えるだろう。 また、販売店側としても最終回の支払い時に来店してもらえる可能性が上がる。自社の車両に乗り換えてもらえる機会も増える。 通常のクレジットよりも残価設定ローンの金利を低く設定しているところも少なくない。 しかし、そんないいことづくめに思える残価設定ローンにも気を付けてもらいたい落とし穴がある。