【速報】岸田首相襲撃事件 木村隆二容疑者(24)を殺人未遂などの罪で起訴 和歌山地検
今年4月、和歌山市で岸田首相の演説前に爆発物を投げ込んだとして逮捕された男について、和歌山地検が殺人未遂などの罪で起訴しました。 起訴されたのは兵庫県川西市の無職、木村隆二被告(24)で、木村被告は今年4月、和歌山市の雑賀崎漁港で、岸田首相の演説前に爆発物を投げ込み、演説を妨害した疑いで現行犯逮捕されました。
警察はその後、爆発の再現実験や鑑定などから爆発物は殺傷能力がある「パイプ爆弾」であったことを確認し、岸田首相らに対する殺人未遂の疑いなどで先月、追送検しました。 検察は木村被告の犯行当時の精神状態や刑事責任能力を調べるため、5月下旬から9月1日まで大阪拘置所で鑑定留置を行いました。 その結果、刑事責任を問えると判断し、6日、岸田首相らへの殺人未遂の他、爆発物取締罰則違反や選挙を妨害した公職選挙法違反の罪などで起訴したということです。 木村被告は警察の調べに対して黙秘を貫いていて、真相解明の場は法廷に移ることになります。 <起訴された罪名> ・殺人未遂 ・火薬類取締法違反 ・爆発物取締罰則違反 ・公職選挙法違反 ・銃刀法違反
■「殺人の意図があった」との判断
この事件に関し、当初から殺人未遂容疑が適用できるかは、1つの焦点となっていました。 殺人未遂容疑を適用するには、「木村被告が岸田首相を殺害する意図を持って、岸田首相を狙って爆発物を投げ込んだ」ことを立証する必要があります。 木村被告は、SNSで国会議員の選挙制度や岸田首相などを批判する投稿をしていたことがわかっていますが、今回の事件を起こしたのが、「岸田首相を殺害しようとしたためなのかどうか」を判断するため、警察は、木村被告が自作し投げ込んだとされる爆発物について、殺傷能力があるかどうかを再現実験を行って確認を進めました。 爆発した場所から60メートル先の壁には、爆発物のふたとみらる部分がめり込んでいるのが見つかり、読売テレビが爆発の瞬間を記録した映像を解析した専門家に取材したところ、爆発物は地面から約1.8mの高さを時速140キロ程度で飛び聴衆の上を超えていった可能性が高いことがわかりました。 専門家は、「大きな破片は3つに分かれていて、本体が破裂していたらもっと速い速度で無数の破片が飛び出すので、その場合には周辺の方が死傷していた可能性はある」と指摘しました。 かなりの威力のある爆発物だったとみられ、警察も最終的に「殺傷能力があり、木村容疑者には岸田首相を殺害する意図があった」と判断し、検察に追送検しました。 その後、検察側は木村被告の精神状態などを調べる鑑定留置を行い、刑事責任能力はあると判断。 警察の捜査をもとに爆発物の能力についても確認し、最終的に殺人未遂での起訴を決めたものとみられます。 殺人未遂罪の法定刑は、殺人と同じ「死刑または無期もしくは5年以上の懲役」で非常に重いもので、裁判でも殺意の認定には特に慎重な審理が行われるとみられます。 検察の起訴の判断に対し、弁護側がどのような主張をするかが注目されます。