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コロナ禍での自然災害、大規模停電にどう備える?蓄電池メーカーが教える停電対策

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ウォーカープラス

新型コロナウイルスによる不安が残るなか、日本列島は本格的な大雨シーズンに突入した。これまでの大規模災害の経験から、自治体や企業では災害の備えが随時見直されているものの、避難所で密を避けるのは難しいのが現実だ。3密回避が求められる状況下において避難勧告が出されたら、私たちはどうすれば良いのだろうか。そこで、蓄電池メーカー・エリーパワーの担当者に停電対策について話を聞いた。 【写真】停電時に重宝、可搬型蓄電システム「POWER YIILE 3」 ■コロナ時代の災害対策、ポイントは「分散避難」と「自宅の対策強化」 コロナ禍のなかで災害が起こった場合、ポイントとなってくるのが「分散避難」と「自宅の対策強化」だ。「分散避難」とは、学校の体育館など大きな避難所に、地域の住民全員が集まるのではなく、近くの公民館など小規模避難所や、知人、親族宅などに分かれて避難することを意味する。 自宅が危険な状態にある場合は、もちろん避難しなくてはならない。しかし、自宅の安全が確保されているのであれば「密を避ける」という観点から、避難所へ行かないという選択肢を持つことも今後は重要になってくる。そのためにはこれまで以上に対策を強化し、自宅を災害に対応できるようにすることが必要だ。 ■停電時の救世主「蓄電システム」をメーカー担当者が解説 個人でできる自宅の災害対策のひとつに、“停電への備え”が挙げられる。昨今は停電による被害が深刻化した自然災害も多く、2018年の北海道胆振地方東部地震では、北海道全域で大規模停電「ブラックアウト」が発生。さらに、2019年には台風15号および台風19号が各地に甚大な被害をもたらした。 特に台風15号は停電による被害が大きく、関東地方を中心に一時、約93万軒の停電が発生。千葉県の停電発生数は全体の7割を占める64万件にものぼった。停電解消が発表されたのは、発生から15日後。しかし、実際は家庭への引き込み線や電気設備の不具合で「隠れ停電」が続いていたケースもあり、長期化することとなった。 そんななか注目されているのが、停電時でも電気の使用を可能にする、蓄電システムだ。蓄電池メーカー、エリーパワーの担当者は「これから家を建てる方、すでに建てている方、マンションを購入されている方、賃貸住宅の方、それぞれの住環境によって対策ができます」と話す。新築住宅、既築住宅、賃貸の3パターンに分けて、蓄電システムを活用した災害対策について教えてもらった。 新築住宅 近年、各住宅メーカーが推進している、スマートハウス。普段は太陽光発電の電気を使い、自給自足を目指す省エネを目的とした家だが、いざという時には停電に強い、災害対策を備えた家となる。例えば大和ハウス工業では、「全天候型3電池連携システム」を採用した「災害に備える家」を販売している。「全天候型3電池連携システム」は、電気をつくる「太陽光発電」と「燃料電池」、電気をためる「蓄電池」を組み合わせたシステムのこと。雨天でも約10日間の停電に対応し、電力と暖房・給湯を確保することができる。 既築住宅 家を新築する予定がない人には、可搬型の「非常用蓄電システム」がおすすめだ。通常、住宅用蓄電システムは、電力会社との契約や工事により、導入まで数か月かかる。その点、可搬型は、箱から取り出してコンセントにつなぐだけで充電され、簡単に使用できるのが魅力。「非常用蓄電システム」は、蓄電池メーカーのECサイトなどで購入することができる。 賃貸住宅 最近では、災害対策に強い賃貸マンションやアパートも登場している。例えば大和ハウス工業では、家庭用リチウムイオン蓄電池を全戸に標準搭載した賃貸住宅を、2016年に発売。2019年には、壁掛けタイプの蓄電システムを標準搭載した賃貸住宅を新たに発売するなど、災害時における入居者の「安全・安心」に配慮した商品の拡充を図っている。災害対策の観点で賃貸物件を選ぶのも、ひとつのポイントだ。 災害対策を目的とした蓄電システムの導入は、右肩上がりで増えているという。なかでも新築で家を建てる際に導入するケースが多いそうだ。大和ハウス工業のように3電池連携で10日間、電気系統に頼らない生活ができる仕組みがあれば、停電時においても家でスムーズに仕事をすることもできる。新型コロナをきっかけに、テレワークを導入する企業も増えた。災害時に家で仕事ができる環境を整えておくことも、これからの時代必要になってくるのかもしれない。 ■蓄電システムの価格は?お得に購入する方法も 蓄電システムの導入を考えた時、気になるのが価格だ。リチウムイオン電池自体がまだ高額製品ということもあり、壁掛け型が約70万円(蓄電容量1.3kWh)、可搬型が約90万円(蓄電容量2.5kWh)。住宅向けは、蓄電容量5.4kWhで約180万円、蓄電容量10.8kWhで約280万円、費用がかかる。 これらの金額を目にすると、「簡単に手を出せるものではない」と思う人も多いだろうが、初期費用0円で導入できるリース販売が広がっているほか、国や都道府県、市区町村において、省エネや環境関連の補助金制度も増えている。それらを活用することで、比較的お得に購入できるそうだ。 ■初期費用だけで決めるのはNG!蓄電システムの選び方 最後に、蓄電システムを選ぶ際の3つのポイントを教えてもらった。1つ目は「安全性」だ。蓄電システムは、携帯電話用電池の何百倍ものエネルギーを蓄えるため、扱い方を誤ると火災等の重大な事故につながるリスクがある。自然災害や予期せぬ事故など万が一の事態に備えて、安全性の高い製品を選ぶことが大切だ。 2つ目は「寿命」。蓄電池は寿命に達すると、容量・性能が大きく低下する。初期費用だけに目を向けるのではなく、寿命を考慮し、購入から廃棄に至るまでの総費用で検討するのがおすすめだ。エリーパワーの担当者は「蓄電システムは、10年以上使いたい設備。長い期間、屋外での使用に耐えうる『高性能の電池』を搭載した蓄電システムを選ぶことが、10年後のライフサイクルコストを見た時、一番お得です」と話す。 3つ目は「温度特性」。蓄電システムは、温度・湿度といった周囲環境の影響を受けやすい。温度特性に優れた蓄電システムを選ぶことで、寒冷地や直射日光が当たり高温となる家屋南側への屋外設置が可能となり、スペースを有効活用することができるのだ。 災害は起こってみないとわからないことが多い。しかし、起こってからでは遅いことも多い。大雨シーズンを迎えるにあたり、自宅の災害対策について、今一度考えてみてはいかがだろうか。

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