米国は北朝鮮軍派兵説に「確言」しないのに…韓国大統領室「同盟と断固たる対処」
韓国大統領室が連日、北朝鮮のロシア派兵と関連し、強硬かつ断固たる対応方針を強調している。22日にはウクライナへの攻撃用兵器提供の可能性まで言及した。国家安保室のキム・テヒョ第1次長は同日、ソウル龍山(ヨンサン)の大統領室の会見で、「北朝鮮とロシアの軍事的野合」に「国際社会とともに断固たる対処を取る」と述べた。韓国国家情報院の発表後、同日までも北朝鮮軍のロシア派兵について「確言」せず、「数日内に説明する」という立場を維持する米ホワイトハウスの態度とは対照的だ。 キム・テヒョ第1次長は国家安全保障会議(NSC)常任委員会会議後に行った会見で、「政府は北朝鮮の戦闘兵力派兵に伴うロ朝軍事協力の進展の推移によって、段階的な対応措置を実行していく」と述べた。「段階的な対応措置」について、大統領室高官は「段階的にシナリオを見ながら防御用兵器の提供を検討でき、その限度を超えたと判断すれば攻撃用(兵器の提供)も検討できる」と説明した。 さらに同高官は、「派兵の予兆段階にある現状から実質的な戦闘参加、その後さらに深まった両国間の軍事・経済的利害関係の交換(などが予想される)。(このような状況が)韓国経済と安保に及ぼす否定的な効果を考えてシナリオを作っており、それによって韓国にできる外交的、経済的、軍事的措置を区別して備えている」と述べた。現在、安保当局が懸念している北朝鮮軍派兵による脅威は、北朝鮮軍の全般的な戦闘能力の向上だ。大統領室高官は「現在東部に留まっている北朝鮮戦闘兵が西側に移動して参戦するならば、北朝鮮軍の実戦能力を向上させることができ、兵器の性能のデータも獲得できる」とし、「このようなことが大韓民国の安全保障にとって脅威になりうる」と述べた。 現在、北朝鮮軍派兵による軍事的対応措置に関して韓国軍内外で有力視されているのは、155ミリ砲弾と天弓(チョングン)ミサイルの提供だ。しかし専門家らは、韓国の安保状況が悪化した現実への対応にも十分ではない155ミリ砲弾などをウクライナに提供するのは、現実的に難しいと指摘する。さらに、現在の状況で攻撃用兵器の提供に踏み切ると、ロシアが北朝鮮に敏感な軍事技術を提供することに対応する「最後のカード」まで使い果たしてしまうという現実的問題もある。 大統領室はこの日も「同盟および友好国と緊密に協力」すると繰り返し強調したが、米国など友好国政府は依然として北朝鮮派兵に関する国家情報院の発表に対し、事実かどうかを確認できないという立場を示している。米国務省のベダント・パテル首席副報道官は21日(現地時間)の記者会見で、「われわれはまだそのような報告が正確かどうかを確認できる地点にいない」と述べた。ホワイトハウスのジョン・カービー戦略広報担当調整官もこの日「事実ならば明らかに危険で非常に懸念すべき状況の展開」だとしたうえで、「数日内にこの問題に関してわれわれが把握したこととパートナー国と協議した内容を説明する計画」だと述べた。 パク・ミンヒ先任記者、イ・スンジュン記者、ワシントン/イ・ボニョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )