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日本初の気候関連株主提案、みずほに情報開示求め

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オルタナ

認定NPO法人気候ネットワーク(京都市)は今年3月、株式を保有するみずほフィナンシャルグループに対し、日本初の気候変動関連株主提案を行った。パリ協定の気候目標に整合した投資を行うための経営戦略の計画を開示するように求めるものだ。みずほFGは当該株主提案に反対する方針を示す一方で、気候ネットは堅持する旨を表明している。株主総会は6月25日に開かれる。(MARKET FORCES=鈴木幸子)

金融安定理事会(FSB)や世界最大の資産運用会社ブラックロックなど、世界の金融当局や大手資産運用会社は、気候変動が引き起こす金融危機について相次いで警鐘を鳴らしている。世界的な金融混乱を防ぐためにも気候変動関連の財務リスクを把握する必要があるとする。 気候ネットは、投資家がみずほFGの経営戦略とパリ協定目標への整合性を理解するためには現状の開示は不十分であるとして、今回の株主提案を行った。 みずほFGは邦銀では初めて石炭火力発電所向けプロジェクトファイナンスの残高を2030年までに半減させ、2050年までにゼロにするという目標を公表した。 だが、気候ネットは2040年までに世界中の石炭火力を停止させる必要がある中、みずほのタイムラインではパリ目標と整合しないと主張する。 さらにこの削減目標は、プロジェクトファイナンスに限定されており、コーポレートファイナンスや債権など、投融資ポートフォリオ全体での炭素関連資産削減目標が見えないことも指摘している。 2019年に公表された報告書では、みずほFGは石炭火力発電を拡大している企業への世界最大の融資機関と指摘され、石炭火力開発企業への貸付(全額)は、パリ協定後の2017年から2019年までに168億米ドルに上るという。 みずほは顧客の脱炭素化を強化するとしており、必要に応じて業態転換を促すなど、建設的な対話への意欲もあるが、現状では、指標や目標が示されておらず、何を目指して対話を行っているのかが「ブラックボックス」の中だ。 以上のことから、気候ネットは、気候関連リスクおよび機会の適切な評価、価格付けのために投資家が必要な情報が開示されているとは言い難いと判断した。 こうした気候ネットの主張に対し、みずほFGは5月22日に公表された株主総会通召集知資料と6月10日の声明で、要求内容は「環境方針」でカバーされているとして、当該株主提案に反対する方針を示している。 みずほFGは4月15日に「環境方針」の制定を発表し、環境・気候変動への取り組み強化を表明した。また、5月21日に発行された「TCFDレポート」で気候変動に関する最新の企業情報を開示した。 TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)は2015年12月、 G20の要請を受け金融安定理事会(FSB)に設置された機関で、2017年6月に提言が示された。 TCFD提言では、気候変動の影響を踏まえた1.企業統治、2.経営戦略、3.リスク及び機会の特定と管理(シナリオ分析)、4.評価指標と目標――の4つのカテゴリーの開示を推奨しており、提言に従った気候関連企業情報開示を行うことが、世界標準になりつつある。 みずほFGはTCFD提言に基づく情報開示に賛同している一方で、気候ネットはみずほFGの開示は不十分であると主張している。

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