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旅人マリーシャの世界一周紀行:第274回「男性だけが集まる美食の会『チョコ(TXOKO)』って何?」

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引き続き「#おうちたび」ということで、昨年のスペイン旅をお届けしたいと思います。 * * * 【写真】男性美食倶楽部「チョコ」とビルバオのアート ビルバオでの日々は、カウチサーフィンで知り合った仲間たちのおかげで充実していた。 ビルバオ・グッゲンハイム美術館を訪れた後は、オランダ人のギルバートと街を散策。 ビルバオを代表するスビズリ橋ではカールという名のバスカー(路上パフォーマー)が上裸でギターを演奏していて、「俺は意思を持って人生の選択をし今はこの街にいるんだ」というようなことをしゃがれ声で熱唱していた。彼のYouT ubeには『I miss Japan』という曲があったので、なんだか応援したい。 新市街を歩くと、氷山のようなデザインのガラス張りのビル「バスク保健衛生局」や、円形のモジュア広場には「チャバリ宮殿」など、印象的な建築が目に入る。 バスクの街並みに触れながら、私もカールと同じで「今、自分が選んだ生き方でこの街にいるんだ」なんて"旅して生きる実感"を感じたりして。 夜は夜で、連日にもかかわらずカウチサーフィン仲間の地元女子ロシが街案内をしてくれた。 「ここは『アスクナ・セントロア』っていって、昔ワイン貯蔵庫だったの。外壁を残して改装し、2010年に複合施設として生まれ変わったのよ。人が泳いでる姿が見える底が透明のプールや、43本の異なるデザインの柱がおもしろいでしょ? ジムに図書館、映画館やオープンテラスのバーもあるわ!」 改装デザインはフランス人建築家フィリップ・スタルクによるもの。浅草のスーパードライホールの金色のオブジェでも有名なデザイナーである。やっぱりビルバオはアートの見所が多い。

そして昨夜に続き旧市街へ向かうと、すでにシャッターの下りている建物を指してロシが言った。 「ここはチョコよ! 知ってる?」 「チョコ? 人気のチョコレート屋か何か?」 思わずそう聞いてしまいたくなるが、窓から中をのぞくと、チョコレート販売している様子はない。クッキング教室のような広くてきれいな北欧風ダイニングが見えた。 「ここは男性オンリーの美食の会『TXOKO(チョコ)』が使うレンタルスペースなのよ!」 チョコとは会員制の"美食の会"。男たちが定期的に集まって調理をして食べる社交の組織で、バスクの伝統であり、基本的には女人禁制なのだとか。 バスクには多数のチョコが存在し、規模は様々。例えば約1万5千人が住むゲルニカという街では、9つのチョコがあり約700人が会員である。各チョコは最大80人のメンバーを持つことができるが、全員が同時に集まるわけではない。 元は1870年、サン・セバスチャンで始まった。基本的なシステムは、仲間を集め、共同資金や会費でレストランを借りたり、あるいは場所や設備を購入。会計や管理者など役割分担があるのだそう。 場所を購入した場合はメンバーで相談してインテリアや設備などを決めるので、まるで男だけのアジト作りのようで楽しそうである。また小さい町や郊外では、会場や食料などの経費を友人たちでシェアしたり、自宅を利用したりという規模のものもある。 私がここで見た施設は、チョコの時間貸しレンタルスペースというわけだ。伝統文化も時代とともに、より利用しやすいように変化しているのだろう。

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