〈4〉ミケロッティ・デザインの「スカイラインスポーツ・コンバーチブル」のプロトタイプも!! |スカイラインを全タイプ収集した愛好家 Vol.4
ある日ノスタルジックヒーロー編集部にかかってきた1本の電話。 その内容は、 「90年頃、ノスヒロに掲載された時に、将来スカイラインを全シリーズ集めたいとコメントしたんですが、ようやく揃ったので、ぜひ取材をお願いします。スカイラインだけじゃなく、輸入車もあって、全部で60台くらいありますよ」 スカイラインスポーツとスカイラインスポーツ・コンバーチブル プロトタイプの詳細【写真10枚】 という、オーナーのPさんからの直々の取材リクエストだった。 信じられないようなコメントに、編集部が取材へ行くと、そこには巨大な倉庫とも工場とも思える建物があった。 電話で連絡してPさんと初対面し、あいさつもそこそこに建物に入れてもらうと、その光景にビックリ。60台あまりのクルマが、整然と並べられていたのだ。 Nosweb.jpでは、そのコレクションを5回に分けて紹介している(本稿は第4回)。 1960年11月に開催された「第42回トリノ・モーターショー」に展示され、その後、61年の「第8回全日本自動車ショー」に出品されたスカイラインスポーツ・コンバーチブル。このクルマはまさに実車そのもの。つまりプロトタイプで、生産車とはヘッドライトのつり上がり具合も微妙に異なるとのこと。 フロントフェンダーのドア側には、トリノのコーチビルダー「アレマーノ社」のエンブレムが装着されている。 フロントフェンダーのヘッドライト側には、デザインを担当した「ミケロッティ」のエンブレムが装着される。 黒を基調とした革張りのインテリアは、スポーティーなイメージ。プロトタイプでは、右側が水温と燃料系、左側がスピードの2眼メーターとなっている エンジンは生産車と同じ、1862ccの4気筒OHV、GB4型エンジンを搭載する。 トランクの長さが特徴的なリア周りのデザインは、生産車と同じだが、「Prince」のエンブレムがない。 1962年式プリンス スカイライン スポーツ(BLRA-3/R21B)鉄板からたたき出して製作するハンドメイドだったため、生産車でもヘッドライトの左右の傾きが異なっている。試作車よりもかなり修正されているとのこと。 1962年4月19日に発表されたが、195万円という価格がわざわいし、スカイラインスポーツは1963年に生産を中止。生産台数は、クーペ35台、コンバーチブル25台、合わせて60台といわれている(50台未満という説もあり)。 エンジンルームはオリジナルの状態だが、ヘッドカバーは黒く塗装され、エアクリーナーはサフェーサーのような仕上がり。 次回「スカイラインを全タイプ収集した愛好家 Vol.5」へ続く
Nosweb 編集部
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