ライバルではなく、夢を追う仲間「NiziU」がギスギスしていないワケ
圧倒的に感情移入させる演出の妙
真実も、誠実も、謙虚も、生きていくうえでとても大切な根源的要素ではあるけれど、一方で大人になるほど日常に忙殺されて忘れてしまうものでもあります。 それらを真正面から真摯(しんし)に受け止めようとする彼女たちの姿勢に視聴者は、自分自身を重ね合わせ、自分もこうありたい、と共感を覚える。その感覚を通してある種のカタルシスを得ているのです。 前述した「親近感」の源は、こうした番組の演出の妙にもあるのでしょう。SNSで「Nizi Projectを見ると心が浄化された気持ちになる」という意見が散見されるのは、このように普段の日常生活では得にくい感情を揺さぶられる視聴体験によるところも大きいようです。 成長過程を応援できる楽しさ、仲間を思いやる「優しさ」や、大切な気持ちを思い出させてくれる「名言」。そんな「Nizi Project」の魅力が、「NiziU」のヒットにつながったのだと筆者は考えます。
かなぴす(ライター)