さらに、松田は演じることについて、持論がある。「（映画で演じているものは）この動きをしようとして表現する、というより、もうちょっと精神論の世界になってくると思う。モチベーションで勝手に体についてくる。“演技しよう”とすると嘘になる。頭で考えても、相手もいるし場所もあるし、シチュエーションで違ってくる。見えないものがたくさんある」と、役者の世界に没頭しているからこそ、身に付いている“感覚”を大切にしている。 10代で役者の世界へ飛び込んだ2人。そのキャリアは10年を超え、役者に対する責任感も強くなっているという。「若い頃は、勢いでできてしまっていたと思うが、経験すればするほど、考えて演じていると思う。だからこそ、“それ”をはみ出していかないといけない。これまで培ってきたものを見せないといけない。だからこそ、演じることはおもしろい。映画やドラマに出続けられれば、次の作品に出演することで、挽回することができる。うまくいかなかった作品は残るし、責任もある。でも、だからこそ、（役者として）面白くなっていく。あと10年すれば、もっと俳優業が面白くなる。俳優はやればやるほど、中毒性にはまる。僕はずっと俳優をやっていこうと思う」と瑛太。 松田は「年齢やキャリアを重ねることによっていろいろ、削ぎ落とされてシンプルになっていくのは楽しい。余計なことを考えなくてもいい。自分の欲しいもの、いらないものがわかる。以前より演じることが楽しくなった。若い頃は、人からの見られ方とか、気にしていたし、周囲に影響を受け過ぎてしまっていた。もちろん、影響を受けることで面白くなることと、そうでないことがある。だからこそ、演じることにどん欲になる。もっと（役者を）やりたいなという気持ちになる」。 役者として10年を超えるキャリア。2人にとって代表作とも言える『まほろ』シリーズを経ても、瑛太、松田龍平はまだまだ、成長を続けている。