瑛太、松田龍平 俳優への思いを語る/『まほろ駅前狂騒曲』
小説家・三浦しをん原作の小説『まほろ駅前シリーズ』。それを映像化した『まほろ駅前多田便利軒』に始まる、映画、ドラマ、そして3作目で再びスクリーンに登場するシリーズは、瑛太と松田龍平の名コンビが、その独特の世界観を表現し尽くしている。ゆっくりと流れる時間。絶妙の間。息の合った“掛け合い”。1作目(2011年公開)、テレビドラマ『まほろ駅前番外地』(2013年)、に続き3作目となる『まほろ駅前狂騒曲』(10月18日公開)では、松田演じる行天(ぎょうてん)の別れた妻の娘を巡って騒動が繰り広げられるが、2人が考える『まほろ』とは、また役者として活動することとはーー。 「最初の映画があって、ドラマもあって、『次、どこに行くのか』っていう感覚があった。ドラマのときは、当然、次(3作目)の話をしてなかったのですが、もし、続編があるならやってもいい、と思っていた。『やってもいい』、という言い方は偉そうな意味ではなくて、自分では続編をやると決めることはできないから。お客さんが観てくれて、満足してくれて、続編を作るという話になれば、やりたいと思っていた。演じていて楽しい」と瑛太は、『まほろ』への思いを語った。 松田は「映画では前作で、(瑛太演じる)多田のバックボーンというか、多田の過去に向き合うストーリーだった。ドラマでは、オリジナルの脚本で、2人の関係性を楽しむ作品があって、今度の映画では、(自身の演じる)行天が自分の過去と向き合うストーリーになっている。こういう展開になって、うれしい。ある意味、『やったな』っていう感じがある」と、シリーズを通じての展開の鮮やかさに満足した様子だった。 ともに31歳の2人。お互いの存在について、瑛太は「(松田)龍平とやるってことに関しては、『まほろ』の役を何年もやっているので、やりやすさはある。共演者としての距離感としては、もっと長い、10数年も前から知っているので、やっぱり違った意識が働く。『はじめまして』とは違う。普段の演じていない時の動きとか、しゃべり方とかを、知っているので、その上で、カメラの前に立ってどうなるか、は見ていて楽しいし、参考になる」と、普段の松田龍平と俳優・松田龍平の違いを現場で楽しんでいるという。 同様に松田も「(瑛太との共演は)やりやすい」と評価する。「自分の中で完結している芝居をしている人はやりにくい。極端な話、セリフがあるので、相手のセリフを聞かなくても演じることはできるけど、それじゃ(役者として)つまらない。頭の中で考えているものを表現するようにしている。心が動いたら、やっぱり楽しい。瑛太は、まじめだからセリフしか言わなくて、アドリブがない。でも、考えて演じてくれている」(松田)と、お互いをリスペクトしている。