企業が求める人材、「コミュニケーション能力が高い」が増加
新型コロナウイルスの影響が依然として続くなか、企業にとって新しい生活様式に対する新規需要の拡大や政府が推進している緊急経済対策の実施などは好材料となっている。他方で、今後の感染状況が見通せず、先行きの不透明感から雇用や就業環境などに悪影響を及ぼすことも危惧されている。 そこで、帝国データバンクは、新型コロナウイルス感染症の影響および、採用活動においてどのような人材像を求めているか、企業の見解について調査を実施した。
企業が求める人材像、「意欲的」で「コミュニケーション能力」がある人材
新型コロナウイルス感染症の影響が続くなか、採用活動において企業が求める人材像は、「意欲的である」が43.1%で最も高かった(3つまでの複数回答、以下同)。次いで、「コミュニケーション能力が高い」(41.0%)が4割台で続き、以下、「素直である」(25.4%)、「真面目、または誠実な人柄である」(19.5%)、「専門的なスキルを持っている」(18.1%)が上位となった。 企業の従業員数別にみると、100人以下の企業で、「意欲的である」がトップ。他方、101人以上の企業においては「コミュニケーション能力が高い」がトップとなっており、とりわけ「301人~1000人」「1000人超」の企業では2社に1社がコミュニケーション能力を重視していた。 2017年2月の調査と比較すると、多くの企業が意欲的であることやコミュニケーション能力が高い人材などを求める傾向はあまり変わっていない。一方で、リーダーシップや主体性の高さなどを求める企業が増加した。加えて、問題意識が高い「変革型人材」や専門的なスキルを持つ人材を望む傾向も高まった。
新型コロナで業績へマイナスを見込む企業は79.0%、2月以来に8割を下回る
新型コロナウイルス感染症により、企業の79.0%が自社の業績に『マイナスの影響がある』(「既にマイナスの影響がある」と「今後マイナスの影響がある」の合計)と考えていた。9月から1.6ポイント減となり、2月以来、8カ月ぶりに8割を下回った。 業種別にみると、『マイナスの影響がある』と見込む企業は、「旅館・ホテル」が97.4%と最も高く、「Go Toトラベルにより、ようやく回復の兆しがみえてきたが、申請作業の手間などから従業員が疲弊している」(旅館)とあるように、取り巻く環境の厳しさは続いている。次いで、「飲食店」、「広告関連」が上位に並んだ。