東京オリンピック出場を目指す中田珠未、5人制でも3人制でも努力奮励「もう一回チャンスが来ました」
「新しい競技を始めたような感覚で、楽しさもある」
文=鈴木健一郎 写真=野口岳彦 中田珠未は日本代表の常連になりつつある。2017年にユニバーシアード競技大会で50年ぶりとなる銀メダルを獲得に貢献。2018年には若手中心の代表チームで参戦したアジア競技大会で銅メダルを獲得。昨年からはA代表に加わり、アジアカップの最終メンバー12人にも入った。トム・ホーバスのバスケットを踏襲するアンダーカテゴリーのチームで結果を出すことで評価を高め、A代表にも加わるようになった。 183cmのサイズ以上に、走ったり跳んだりするアスリート能力の高さが目を引く。本人も「リバウンドとファストブレイクで走れることを強みにしたい」と言い続けている。 その身体能力の高さは3人制バスケの3x3でも買われた。中田と永田萌絵の2人だけが、今回の強化合宿で5人制と3人制の両方に招集されている。永田は昨年のU23ワールドカップでの優勝経験があるが、中田は昨年の強化合宿で3x3を経験しただけ。まずは5人制とのルールや特性の違いを頭と身体で覚えるところからのスタートだ。 「率直な感想は同じバスケットだけど、なんか全然違う競技をやっている感じ。当たりだったり、コート自体も半面になるし本当に新しい競技を始めたような感覚で、楽しさもあるんですけど、やっぱりまだ難しいなっていう思いが強いですね」と中田は言う。これまでも早稲田大と代表を掛け持ちして、2つの異なるチームプレーを覚えて実践する難しさは経験しているが、今はWリーグの『女王』ENEOSサンフラワーズのルーキーであり、デビューしてシーズン前半の10試合を消化したところで代表へと意識を切り替え、しかも5人制と3人制の両方をこなすことになる。 「去年の合宿に一度だけ参加しましたが、最後は5人制に専念したので、少しかじったことがある程度です。去年はあまりコンディションが良くなくて、結局すぐ帰っちゃってあまり経験できなかったんですけど、Wリーグでのプレーを評価して呼んでいただけたのはすごくうれしいし、その期待に少しでも応えられたらと思います」