FW鈴木翔の勝ち越し弾で上田西が4年連続決勝進出
11月3日、第99回全国高校サッカー選手権大会 長野県大会の準決勝が行われた。第1試合の上田西と市立長野の一戦は2-1で上田西が勝利し、7日の決勝へと駒を進めた。 【フォトギャラリー】上田西 vs 市立長野 前半は、市立長野のペースで試合が進んだ。ボール扱いの上手さが光るMF藤田恭弥(2年)と成澤慧(2年)のダブルボランチが積極的に、ボールに顔を出しビルドアップに関与。DF山本嵩斗(3年)も最終ラインからドリブルを仕掛けながら、左右を揺さぶり、サイドから見せ場を作った。前半12分にはパス回しで左から右へと展開し、DF櫻井花道(3年)がオーバーラップ。ゴール前に入れたパスをMF町田礼優(3年)が合わせたが、シュートはサイドネット。13分には、FW橋本泰知(2年)が放ったシュートのこぼれ球をFW北澤駿希(3年)が押し込んだが、オフサイド判定で得点には至らなかった。ヒヤリとする場面もあったが、以降はゴール前の守備を固めて、無失点を維持。FW鈴木翔(3年)は「立ち上がりから市立長野のパスワークで崩され、危ない状況もあったけど、バックラインがしっかり頑張ってくれた」は味方への感謝を口にした。 エンドが代わった後半は、上田西が「獲りに行く場所をしっかり決めて、一人が追わないよう意識した。一人が追うなら後ろもしっかりついていこうと皆で話した」(北澤拓也、3年)と守備を再確認。10分にはMF岩瀬慧人(3年)が倒され得たFKを、DF畑島卓馬(3年)が頭で合わせて先制した。しかし、「一点獲ってから、気の緩みが出た」(鈴木)ため、直後の12分には橋本が放ったシュートのこぼれをMF木下武蔵(2年)に押し込まれ、試合は振り出しとなった。 だが、2017年度に3位となって以来、選手権出場を果たせていない上田西が、ここで負けるわけにはいかない。「自分たちは走り勝つのがテーマ。相手が落ちてきた時に、そういうのが出せた」と北澤が振り返る通り、試合終盤は運動量で市立長野を上回り、優位に立つ。MF小山星哉(2年)が「西高の強みはサイドの速さ」と胸を張る仕掛けで見せ場を作ると、30分には右サイドを破った岩瀬のパスから鈴木が決めて勝ち越しに成功。残り10分もしっかり市立長野の攻撃を跳ね返し、勝利した。 上田西の決勝進出は4年連続だが、一昨年と昨年は涙を飲んでいる。3度目の正直にかける選手の想いは強く、畑島は「周りから決勝止まりという目で見られるのは悔しい。今年こそは一個殻を破って、全国に出たい」と口にした。 (文・写真=森田将義)