【電動スーチャー+ISG】ジャガーFペイス P400 Rダイナミックへ試乗 小変更 ドライバーズSUV
電動スーパーチャージャー+ISG
text:Matt Saunders(マット・ソーンダース) translation:Kenji Nakajima(中嶋健治) ジャガーのSUV、Fペイスのフェイスリフトに合わせて、新エンジンが追加になった。ジャガー・ランドローバー(JLR)が開発した、3.0Lの直列6気筒ガソリンエンジン、インジニウム・ユニットだ。 【写真】ジャガーFペイス 走り重視の競合SUVと比較 (128枚) マイルド・ハイブリッド化され電動スーパーチャージャーも採用し、従来のV6ガソリンユニットを置き換えることになる。同時にパワフルで加速の鋭いプラグイン・ハイブリッド(PHEV)のP400eも、追加投入される。 今回のフェイスリフトでは、Fペイス SVRに搭載されるV8エンジンもアップデートを受け、D300に搭載される直6ディーゼルターボや、4気筒ユニットにも手直しが入っている。 しかし、今回ご紹介するP400はイチオシのFペイスのようだ。ジャガーが設定したマイナーチェンジ版の初試乗会で、このP400が用意されていたのだから。ただし、新しいSVRとPHEV版は2021年後半の登場予定だから、準備できなかったわけだが。 ラグジュアリーさを高めることも、Fペイスのマイナーチェンジで重視された要素だったらしい。広い車内いっぱいに豪華な素材が充てがわれ、メーターパネルやインフォテインメント・システムには大きなモニターが採用されている。 このP400は電圧48Vのマイルド・ハイブリッドだが、一般的なクルマとは少々仕組みが異なる。エンジンのスターター・ジェネレーター(ISG)へ電気が送られるのは、エンジンを始動するときのみだという。
3.0L直6はパワフルながら、燃費は低調
それでも、圧倒的というほどではないにしろ、直6エンジンのパフォーマンスは高い。豊かさを感じさせるトルクと上質なフィーリングを備え、Fペイスに好印象なドライブ体験を与えている。乗り心地や操縦性にも優れる。 一方で丁寧に運転しても、10.6km/Lを超える平均燃費は得られないようではある。一般的な複合条件で試乗した今回の燃費は、平均で9.2km/Lに留まった。 3.0Lの直列6気筒は、車重2tのファミリーSUVへ不足ない馬力とトルクを与えてくれる。しかも、驚くほど柔軟性にも優れる。サウンドとしては、従来のV6エンジンほど聴きごたえがあわけではないが、滑らかに、勤勉に仕事をしてくれる。 ドライブモードをダイナミックやスポーツにしていて、電動スーパーチャージャーが活発な状態では、アクセルペダルに対する反応は不自然なほど過敏に感じられた。ペダルをわずかに踏み込んだだけで、Fペイスは勢いよく速度を乗せていく。 それ以外のドライブモードを選んでいれば、アクセルペダルの反応はドライバーの感覚通り。8速ATは全般的に滑らかだが、キックダウンを躊躇するタイミングがあるようだ。 アップデートに合わせて、サスペンションにも再調整を受けている。P400はアダプティブダンパーが標準装備で、大きな22インチのアルミホイールも純正。乗り心地やハンドリングは、動的性能に優れるという印象を与えるのに不足ない。