日本初上陸! 「Inspiration Tokyo」に行ってきた──ベルベルジン・ディレクター、藤原裕「ヴィンテージ百景」
古着ファンにとって長年の夢であるトレードショー「Inspiration(インスピレーション)」が日本で開催された。藤原裕が会場を見て回る。 【写真を見る】会場の様子をチェック!
古着のグローバル化
ヴィンテージファッションイベント「インスピレーション」が11月2(土)、3日(日)の2日間、東京・恵比寿の『エビススバルビル』にて開催された。同イベントは、国内外の愛好家たちによる選りすぐりのヴィンテージ&ファッションアイテムが集まる世界的なイベントだ。毎年、アメリカのロサンゼルスで開かれていたが、16回目の今回は日本で初開催。国内外から世界屈指のヴィンテージショップやディーラーら約60店が集合し、貴重なコレクションを販売した。そんな中、我らがベルベルジンも参戦。開場直後にもかかわらず、ブースの周囲は多くの客でごった返していた。接客を終え、束の間の休憩をとっていた藤原に、会場の雰囲気や出店しての感想を聞くと「だいぶ盛り上がっていますね!」と、興奮しながら続ける。 「正直ここまで熱気がすごいとは思いませんでした。ほかのブースもチェックさせていただいたのですが、どのブースも質&量ともに本当にすごい。気になるものがありすぎて、”ヴィンテージ酔い”してます。じつはチェックしていたカバーオールがあったのですが、オープン直後に売れてしまい、試着すらできませんでした」 藤原の言葉通り、インディゴとむせかえる熱気に酔いそうなほど、会場ではジーンズを筆頭にディープなヴィンテージウェアが山積み状態。古い個体では1800年代製のデニムが販売されているなど、どのブースも圧巻の品揃えだった。例えば、本連載でもあれだけ玉数が少ないと謳ってきたTバックや大戦モデルは、世界中に存在する個体がここにすべてて集結したのではと思ってしまうほど当たり前のように並んでいた。またもうひとつ気になったのは、海外からの出店ブースでは傷のない美しい個体と同等に、ボロと呼ばれるハードダメージ系の古着も多く扱っていたこと。日本以外のヴィンテージ市場は、ダメージの入った個体もミントコンディションの古着同様に人気も高いのだ。 そして何より驚かされたのは、藤原の人脈の広さだ。会場内を移動するたびに、色々なところから声がかかり写真撮影に応じたり、海外の人気店やバイヤーなどとは旧交を温めるなど引っ張りだこ。まさに”世界のユタカ”らしい存在感を放っていた。 PROFILE 藤原裕(ふじはら・ゆたか) ベルベルジン・ディレクター 原宿のヴィンテージショップ「ベルベルジン」顔役。ヴィンテージデニムマイスターとしても認知されている一方、多くのブランドでデニムをプロデュースするなど、現在のデニム人気を担っている。先日、自身がディレクションするブランド「New Manual」にて予定通り33選を発表し、ようやくひと段落。次なる仕掛けはなにか? 本人とGQだけが知っている次回作はまた追ってレポートしたい。 毎日更新! YouTube「ベルベルジンチャンネル」はこちら!
文・オオサワ系 編集と写真・岩田桂視(GQ)