Yahoo!ニュース

IDでもっと便利に新規取得

ログイン

ニッチで成功を目指すのは、事業家として失格。孫正義が次世代に向けて語った「市場感覚」

配信

  • この記事についてツイート
  • この記事についてシェア
新R25

新型コロナウイルスの感染拡大にともなって、多くの企業がリモートワークに切り替わりました。 若手ビジネスパーソンのなかには「この期間に何かしたほうがいいのだろうか」という不安になっている人もいるでしょう。 そんな不安を払拭するべく、新R25では特集「先駆者のシゴトの極意」をお届け。 最前線で活躍する先駆者たちの著書より、どの時代でも通用する、若手ビジネスパーソンが大切にすべき仕事の心構えをご紹介します! 今回ご紹介するのは、『孫正義 リーダーのための意思決定の極意』。 ソフトバンクグループの創業者である孫正義さんが、後継者を育成するための学校「ソフトバンクアカデミア」でおこなった特別講義をまとめた一冊です。 真のリーダーになるための心構え、在り方とは一体何なのか? 孫さんの哲学を凝縮した同書から、リーダーの本質が分かるメッセージをお届けします!

すき間市場で成功を目指すのは、事業家として失格

僕がまだ子どもの頃、造船業の世界に有名な経営者がいました。 斜陽だった造船業界で、徹底的なコストダウンの手法でいくつもの会社を再建して、再建王と呼ばれた方です。 彼をモデルにした小説がいくつもありますし、ドラマにもなった。 その方を僕の親父が盛んに褒めていた。難しい再建を徹底的に工夫してやり遂げた、だから偉い、と。 僕はまだ中学生だったと思いますが、親父に「お父さんが尊敬しているそのおじさんは、俺は尊敬できない」と、はっきり言いました。 その人は経営者として失格だと思う、と。その考えはいまも変わっていません。 もし僕がその立場にいたら、造船業で培った製造する力、マネージする力、営業力、そういう基礎力を使って造船以外をやる。 あるいは日本でやらずに、そのノウハウを持っていって中国やロシア、インドの賃金でやる。それならまだ話はわかる。 いち早く方向性を読んで、流れを読んで、それなのに逆流する、それはもう事業家として、経営者として失格。 時代の流れの先を読んで、半歩先、一歩先、三歩先に仕掛けて待つ。これならいい。 川で泳いだことがありますか? 流れに逆らって泳ぐとどうなるか。 流れに乗るとどれだけ速く泳げるか、どれだけ楽か。 答えはシンプルです。物事を難しく考えちゃいけない。 だから、たとえばデジタル情報産業の中でどのOSを選ぶか、これはものすごく重要なんです。 情報産業を選んだから流れには乗っている、というだけではダメなんです。 たとえばかつて、あるメーカーが自社製品のOSにCP/Mを選択した。 CP/M…8ビットPCにおいてもっとも普及したOS。 16ビット移行期にCP/M3.0を選ぶメーカーと、CP/Mをモデルに開発されたMS-DOSを選ぶメーカーに分かれたが、前者はほとんど普及しなかった。 僕は当時のメーカー担当役員にはっきりと言ったんです。 どうしてMS-DOSを選ばないのか、と。 一時的に、ある部分が半年分くらい優れているといったところで、重箱の隅で勝ってもまったく意味がない。 大きな流れを無視して、一時的に優れているに過ぎない枝葉を挙げて、こっちのほうが優れているのだと言いたがる、そんなへそ曲がりな人が必ずいます。 へそ曲がりはたいてい事業家には向いていない。 王道とはオーソドックスに、一番大きな流れのところでチャンピオンになることです。 ニッチで成功を目指すのは、事業家として失格。

【関連記事】

最終更新:
新R25