絵本から飛び出たようなファンタジー空間へ。|アーティストの別荘訪問(2)
Guest Room
ゲストルームは繭の中で寛ぐイメージ。ベッドを小さな巣に見立て、ピンクの壁には奉納画やデッサン、植物標本、石膏模型などが飾られている。
Garden
天気のいい日は、庭がもうひとつの部屋になる。庭に置いたテーブルには、リスボンで見つけた布をカットしただけのクロスを掛けて。布とマラン・モンタギュの食器が見事にマッチ。
Living Room
色とりどりのキャンドルホルダー、天井にはガーランドにミラーボール......まるでパーティが始まるかのよう。好きなものを美しく演出し、家を生きる喜びで満たす。
良い波動に満ちていたこの家でタロットを制作したことは、彼にさらなる良い波動をもたらしたに違いない。 「15年以上前、イネス・ドゥ・ラ・フレサンジュと知り合いました。一緒にインドを旅行中、この家の写真を見せられ、ひと目でこれが私の"幸せの家"だと感じました。イネスがここを譲ってくれたんです。彼女は趣味の良い人ですから、そのままでもすでに完成された居心地の良い空間でした」 それでも自分なりに手を加えた。家具やオブジェは古道具屋やアンティークショップで見つけてきた。母が古道具屋を営み、父や祖父母がアンティーク商という家庭環境から自然と古いものに目が向く。どの部屋にも画家のパレットや奉納画、キルト、キリムが飾られている。いまは階段スペースをストライプにしようか考え中と、少しずつ手を入れているけれど、大規模な改装はもうしない。それよりも、ここで過ごす時間を大切にしたいからだ。夏には友人を招き、大人数でも集まれる庭でバーベキューやパーティをする。天気が悪ければ居心地の良いリビングやキッチンで寛ぐのもいい。どんな時でもマランはこの家でハッピーだ。 「ここに閉じこもる理由ができればこれ幸いと、ストーブに火をつけ、布団にくるまって映画を見たりしています」 柔らかい草の上を素足で歩いたり、生垣に咲くボタンやチューリップを眺めたりするのも楽しい。そう、幸せの家はここにある。