いったい何が ブランド の復活を成功させるのか?革新性と従業員の賛同を再び得るための戦略
オーディエンスにも目を向ける
「広告キャンペーンはパズルの最後のピースといっていい」と、メレ氏は語る。同氏が以前、ドミノ・ピザ(Domino’s)の復活に取り組んでいたときのことだった。同社がソースのレシピを変えて、それを明確に打ち出したところ、状況は一変したという。 「ブランドのオーディエンスはどんな人たちなのか? どうやって彼らのニーズに応えるのか? ブランドの信念は何なのか? どうやってコアプロダクトサービスを提供するのか? その分析が終わったら、次はコミュニケーション、あるいはマーケティングだ。そこに戻ってから、消費者にそれを再び伝えるのだ。だが、ビジネスの中心にあるものを変えずに、アピールしかしていなかったら、これもうまくはいかない」。 ブランドにとって、マーケターは全体のごく一部にすぎない。その一方で、多くの場合、何がいけなかったのかを経営幹部に示し、その問題の解決法を彼らに知らせるのに役立つデータやインサイトを入手できるのも彼らだ。マーケターを同席させて、経営幹部とデータやインサイトを共有させれば、それがブランドの復活に効果を発揮し、準備が整ったところでコミュニケーション戦略に反映することができる。そう今回取材した幹部たちは述べる。 ハンソン・ドッジ(Hanson Dodge)の最高戦略責任者を務めるマイク・ステファニアック氏は、「マーケターに必要なのは、進んで大振りする心意気だ。タブー、特に昔からの習慣や、よくある成功の方程式に挑む心意気だ」と語る。スタンリー(Stanley)は以前、ミレニアル世代とZ世代のオーディエンスをターゲットにして、従来のコアオーディエンスの外にもブランドを広げていきたいと考えていた。 その立案に力を貸したのがハンソン・ドッジだった。「それから、もし若いオーディエンスを求めているのなら、新たな消費者が自分たちのレガシーブランドを気に入ってくれるようになるインサイトが見つかるまでは、何もしなくていいという悠長な構えもダメだ」と話す。 [原文:Marketing Briefing: Inside the anatomy of a successful brand comeback] Kristina Monllos(翻訳:ガリレオ、編集:坂本凪沙)
編集部