いったい何が ブランド の復活を成功させるのか?革新性と従業員の賛同を再び得るための戦略
記事のポイント 過去の失敗を正確に分析し、革新性を取り戻すことがブランド再起の要。 従業員がブランドの価値を共有し、伝道者となることが復活の成功に寄与。 ターゲット層のニーズに応じたマーケティングを展開し、ブランド復活を市場に伝える。 誰もが復活劇を求めている。では、その復活を成功させるものは、いったい何なのだろうか? かつての栄光への回帰を構想する大手ブランド各社──それを夢見て、あるブランドは経営幹部を入れ替え(その代表がナイキ[Nike]だ。同社は先日、経営陣のトップにエリオット・ヒル氏を任命した)、あるブランドは長年の製品戦略を一新する(このアプローチの真っ只中にいるのがペロトン[Peloton]だ)。自分たちは再び軌道に乗りつつある。 そのシグナルを市場に送ることが、彼らの狙いだ。だが、再び軌道に乗せるというプロセスに着手するだけでは、必ずしも十分とはいえない。ひとつのブランドが復活を果たす背景には、いったい何があるのだろうか? そのプロセスを知るべく、米DIGIDAYはマーケティング、広告担当幹部4人に取材し、ブランドの復活に必要なステップの典型について語ってもらった。
ブランドの成功要因を見極める重要性
再起をかけるブランドがしなければならないのは、まず市場における自社のポジションを正しく評価し、何がいけなかったのかをしっかりと把握することだ。そう彼らは口をそろえる。簡単なことのように思えるかもしれないが、悪かったところを認めて、時代の中心へと戻る道筋を見つける作業は、決して楽なものではない。 クリエイティブエージェンシー、オーロラ(Aurora)で最高戦略およびクリエイティブ責任者を務めるバレリー・バウンズ氏は、「人間が神から与えられた、ひとつの大きな才能は、後知恵だ」と語る。オーロラはブランドの復活を専門としており、同社が考える「劇的変化」のためのプロダクトを提供している。 再起をかけるブランドの復活計画。その最初のステップについて聞くと、バウンズ氏はこう語った。「かつてはよく知られ、愛されていたが、いまは違う。だとしたら、それには理由がある。そのブランド愛を再び見つける必要がある。かつてそのブランドを有名にしたのは何なのか。そのブランドが愛されていたのはなぜなのか。そこに戻るのだ。どこで、なぜ間違ったのか。その問いかけと率直に向き合うのだ」。 さまざまなことがうまくいっていたころのことを材料に、製品や戦略をつくり直すのではない。そうではなく、ブランドのそもそもの成功要因は何だったのかを見極めることが重要だという。