セクハラが横行し…「プラスサイズ専用」マッチングアプリの体験談
出会いの一つの選択肢として、当たり前になっている「マッチングアプリ」。 ニューヨーク在住のジャーナリスト、アンニ・アイリッシュさんもユーザーの一人で、これまでに様々なアプリを試してきたそう。そのなかから、真剣な関係を求めて使った「プラスサイズ専用」のマッチングアプリでの経験談をお届けします。 【写真】どんなサイズも美しい!世界で輝く「プラスサイズモデル」42 語り:アンニ・アイリッシュさん
プラスサイズ女性として生きること
クィアでプラスサイズの女性としてニューヨークに暮らしていると、オンラインデートにはさまざまな困難がつきまといます。 「やぁ、おデブさん」とか「誰も君とデートしたがらないはず」なんてメッセージが来たり、「この体型だから相手を見つけるのに必死なんだろう」と思われたり。どんなマッチングアプリを使おうと結果は大体同じ。そこで出会った多くの人は、「まず相手に見てもらえただけで感謝すべき」と思っているようでした。 こういったやりとりが絶えず、本当に屈辱的だと感じていたある晩、私は偶然、プラスサイズの人々のためだけのマッチングアプリを見つけたんです。 これらのアプリは私のような体型の人を対象としていたので、「プラスサイズ専用のアプリだったら、もっと存在を尊重されるような経験ができるかもしれない」と思いました。
“包括的”なアプリのはずなのに…
私はいくつもあるプラスサイズ専用のアプリから「WooPlus」をダウンロードすることに。理由は、一番名前が不快じゃなかったから(多くのアプリは、名前に違和感がありました)。 話を始めるには、まず誰かとマッチしなくてはいけません。まず恋愛対象を男性か女性のどちらかを決めるのですが、「両方」という選択肢はなかったので「男性」を選択することにしました。 真剣な関係を求めてスワイプし始めると、「曲線美にあふれていて、いつでもすぐ関係を持てる人を探しています」、「大きな女の子は最高」、「パートナーに求めるのは、大きくて、カーヴィで、抱き心地がよくて、あたたかいこと。そして、呼ばれたらすぐ寝れること」――こういったプロフィールをいくつも見かけました。 20人ほどとマッチした後、メッセージが来るように。私が「どんな一日だった?」とか相手の仕事について聞くと、あっという間に相手はフェードアウト。 その代わり、ついさっきマッチしたばかりの見知らぬ人々が、私に胸のサイズを聞いたり、ヌードやマスターベーションの動画を要求したり、今すぐ会えないかと聞いてきたり…。そして、断るや否やハラスメントが始まるのです。「君に興味を持ったことを幸せに思うべき」だと言う人や、「寝ようと言う人とマッチしたことに感謝していない」とほのめかした人もいました。 1週間後、私はアプリを消しました。“包括的”なはずのアプリなのに、結果的には、私のような体型にフェティッシュな欲望を持つ男性が相手を見つけやすくしただけだったんです。