定年後は月12万円の「年金のみ」で暮らす予定です。90歳まで生きるとしたら「貯蓄」はいくら必要でしょうか?
老後資金は予備費も考慮して目標金額を設定しよう
平均的な収支目安を基に老後資金を算出できますが、それに加えて、予備費も考慮しておく必要があります。例えば、災害などの不測の事態に備えて「緊急資金」を用意しておくと安心です。災害時には、一次避難に必要な交通費や、ホテルなどへの一時的な滞在費が発生する可能性があります。 家庭によっては介護費や医療費などが、平均額以上必要になるケースもあるでしょう。また、旅行費用や孫へのお小遣いなど、生活の質向上のための出費も考慮する必要があります。最低限の老後資金に加えて、家庭ごとに必要になりそうな予備費を設定しておくことで、安心感が得られるでしょう。
年金12万円で90歳まで生きるとしたら、家計収支の不足分762万9000円と予備費が必要になる可能性あり
65歳以上の単身無職世帯における平均的な消費支出は14万5430円であるため、年金12万円のみで生活する場合は、毎月2万5430円が不足します。 定年後、65歳から90歳までの25年間で762万9000円が不足する計算になるため、貯蓄しておく必要があるでしょう。生活レベルは、人によって異なるため、場合によっては年金12万円だけで生活できるかもしれません。一方で、平均よりも支出が多い場合は、多額の予備費を貯蓄しておく必要があります。 家計収支の不足分は、最低限必要な貯蓄額で賄うとして、さらに「最低限の緊急費用」「医療・介護費用の備え」「生活の質向上のための追加費用」といった予備費もあると安心です。実際に必要な貯蓄額は個々によって異なるため、自身のケースをシミュレーションして、貯蓄額の目安を算出してみましょう。 出典 総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4>65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 表2 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)及び65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支 -2023年-(19ページ) 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部