実写版『白雪姫』のレイチェル・ゼグラー、アニメ版のプリンセスを批判 「偽フェミニスト」だと反論される
実写版『白雪姫』でヒロインの白雪姫を演じるレイチェル・ゼグラー。彼女の発言を巡って議論が勃発している。きっかけになったのは彼女が昨年雑誌『バラエティ』のインタビューやディズニーのイベント「D23 Expo」でオリジナルのアニメ版を否定的に語ったこと。インタビューでレイチェルは「(私が演じる)白雪姫は王子さまに救ってもらうプリンセスではない」「真実の愛があると夢見ていない。彼女の夢はリーダーになること。亡くなった父親が『恐れを知らず、公正で勇敢で偽らなければなれる』と教えてくれたリーダーになりたいと思っている」とコメント、実写版ではアニメとは違うプリンセス像を表現すると話していた。
またイベントではレポーターに「オリジナルのアニメ版は嫌い」と発言。「あのアニメは文字通り彼女をストーキングする男とのラブストーリーに焦点が当てられている。すごい変! だから今回はそういう話にしていない」と語っていた。
これらの発言をあるTikTokerが改めて取り上げた。その女性、アンジーは「自分と価値観が違うからといってその女性の価値が下がるわけではない」と指摘。結婚ではなくキャリアを望む女性もいるし、結婚や家庭を望みキャリアは追求しない女性もいると主張している。「そのどちらを望む女性もいる。すべての人の意見に耳が傾けられ、認識され、評価されるべき」「あなたから見て価値がある特定のイメージにすべての女性を押し込めようとするのではなく、すべての女性についての物語を描き、すべての女性を価値ある存在として描いてほしい」。
博士号の論文で「ディズニー映画のプリンセスを批判することは偽フェミニズムである」ことも論じたこともあるというアンジー。レイチェルの発言もそういった偽フェミニズムの1つだと示唆している。「ディズニーのプリンセスを批判するのはフェミニストではない。すべての女性がリーダーではないし、そうなりたいわけでもない。すべての女性が権力を欲しているわけではない」「恋愛して結婚したい、家にいたい、主婦になりたいというのは反フェミニストではない。どれもあなたの人間としての価値を下げるものではない」。さらに男性が自分の身を投げ打って愛する相手を救った場合は「英雄的」だと称賛されるのに対し、女性が同じことをすると「自分がない」と批判されると分析。何をしても女性が批判される構造を指摘している。
今回の実写版については、ラテン系の彼女が白雪姫を演じることへの批判が根強くある。人種差別的、中傷的な書き込みも多いことから、レイチェルは「キャスティングをめぐる無意味な言い争いに私を巻き込まないでほしい」「そういう論争は目にしたくない」とツイートしていた。今回のフェミニズム問題はそれとは様相が異なる。レイチェルがどのような反応を示すのか注目が集まっている。