【車いすバスケリレーインタビュー 女子Vol.16】鈴木百萌子「“Qちゃん”以来の憧れの選手に導かれて」
日本代表HCも期待を寄せる奮起
2016年度からは毎年、強化指定選手に選出され、日本の女子の中では唯一のセンタープレーヤーとして大きな期待が寄せられている。国際大会では12人のメンバー入りすることを常としてきた。 だが、19年度は「三菱 WORLD CHALLENGE CUP」と同時開催されたオーストラリアとの国際強化試合、アジアオセアニアチャンピオンシップス、大阪カップと主要大会ではすべて12人から外されてしまった。 「それが自分にとって大きな転機となりました。そもそも自分が国内で選ばれなければ、東京でメダル獲得を目指すことさえもできない。そのことを改めて実感したんです」 昨年は、コロナ禍で体育館での練習や強化合宿ができなかった期間は自宅でトレーニングに励んだ。夏に強化合宿が再開すると、それまで以上に積極的なプレーでアピール。そんな鈴木の変化に、女子日本代表の岩佐義明HCも気付いていた。 昨年末にインタビューした際、岩佐HCはコロナ禍でも成長を感じた選手の中に鈴木の名前を挙げ、こう語っている。 「百萌子は昨年メンバーから外れ続けましたが、私は必ず奮起してくれるだろうと期待していました。今はこれまで以上にセンターとしての自覚が出てきていて、非常にいいプレーをしています」 これまでは自分自身に自信を持つことができなかった鈴木だが、今は唯一のセンターである自分自身の存在がいかに日本代表にとって重要かを理解している。 「コロナ禍で国際大会ができない中で、自分たちの力を試すことができないのは本当に厳しい。でも、だからこそチーム内での相乗効果が必要で、私自身がレベルアップしなければいけない。それがきっと、日本がメダル獲得することにつながると思っています」 フィジカル強化からシュート練習、苦手とするボールハンドリングの練習など、課題は山積みだ。だが、鈴木には今、充実感しかない。 「もうやることがいっぱいで、一日があっという間。体は疲労でしんどいけれど、でも楽しいんです!」 そう語る鈴木の表情には、迷いは微塵も感じられない。「東京パラリンピックを目指して、突き進むだけ」。そんな覚悟が垣間見える。 (Vol.17では、鈴木選手がおススメの選手をご紹介します!)
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