『経済学者が語るスポーツの力』ほか 『同盟の起源 国際政治における脅威への均衡』
脅威均衡論を提示した名著 垣間見える「米国は特別」評者/帝京大学教授 渡邊啓貴
<2022年2月5日号> 脅威均衡論を提示した名著 垣間見える「米国は特別」 評者/帝京大学教授 渡邊啓貴 本書は、国家間の同盟の根拠に関する博士論文を基とし、発刊時(1987年)、米国の学界に一石を投じた名著で、待望の邦訳である。 国際関係論は、国力や国益をめぐる争いを軸とするリアリストと、国連のような制度や法規範による平和を志向するリベラリストの2つの立場から説明されるのが一般的だ。 本書の根底にある「同盟とは何か」はまさにリアリストの中心的課題。著者も有力なリアリストだが、同盟の根拠をそれまでの勢力均衡ではなく、脅威認識を基にした均衡に求める仮説を提示した。
本文:3,729文字
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東洋経済 書評班