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ジャポニカ学習帳に「昆虫」が戻ってきた!…50周年記念シリーズ発売へ 開発担当者に復活の裏側を聞いた

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1970年発売以来、累計販売数14億冊を超えるというロングセラー商品「ジャポニカ学習帳」。今年50周年を迎えるのを記念して、「昆虫シリーズ」が復活する。かつてジャポニカ学習帳といえば、昆虫写真の表紙が定番だったが、8年ほど前から花の写真に変わったという。表紙から昆虫が消えてしまったのは「昆虫が苦手な子どもたち、特に女の子から気持ち悪いという声が上がったから」などと一時期メディアで話題になったことも。今回は記念販売とはなるが、「昆虫シリーズ」の復活となった裏側をショウワノートの開発担当者の方に伺った。 【写真】こちらの表紙は「ハナカマキリの幼虫」…裏面には生態を紹介するイラストも ■2012年からジャポニカ学習帳の表紙は虫から花へ “昆虫復活”までのいきさつについてお話しをしていただいたのは、ショウワノートの開発本部学習帳開発チーム・係長の小原崇(おばら・たかし)さん。 ――ジャポニカ学習帳といえば、昆虫の表紙が印象的でしたが。いつから花の表紙に変わったのでしょうか? 「2012年から表紙から昆虫がなくなりました。そのきっかけとなったのは、弊社が行う小学校向けのサービスの普及です。新しい学年になったとき、各学校の先生方が一括して授業で使うノートを注文していただくもの。10数年前から行っているサービスで、学年によってノートのマス目の数や行数などが違いますから、新学年に変わる際に先生方がノートをご用意されておけば、保護者の方が揃える手間も省けますし、授業をスムーズに進めるためにも効率的と好評をいただいております。年々ご利用していただく学校が増えてきました。そんな中、ジャポニカ学習帳は科目や様式ごとに50種類ほどあるのですが、算数の14マスの様式となると1つの品番しかありません。つまり、1つの種類につき1つの表紙しか選べないのです。だから、昆虫が苦手な子にも配布してしまうことになってしまって・・・ノートの一括注文サービスが普及されるにつれて、先生方から『虫が苦手な子がいて(配布したノートを)嫌がっている』といった声が目立ってきたことなどから、昆虫から花の写真に変えた経緯があります。とはいっても、それだけの理由ではないのですが…」 ――確かに、昆虫が苦手な子からしたら、リアルな虫をアップで見せられたら「鳥肌立っちゃう」かもしれませんね。それが学校で配られるとなると…ただ、虫が大好きな子にとってはうれしいですけど。ところで、他にも昆虫写真がなくなった理由があるとのことですが。 「2012年前後、世界各地に取材班が飛び回って写真を撮っていたものの、なかなか表紙になるような“いいモデル”の昆虫を撮影することができなかったというのも一因でした。そこで徐々に昆虫の品番が徐々に減ってきた状態になってきて、ちょうど先ほどのような学校側からの声が増えてきたことも重なり、いつのまにか表紙から昆虫写真が消えてしまったというのが本音です」 ■近年は自然環境の分野で「昆虫」が話題に ――以前、私がテレビのワイドショーなどで見たときは「昆虫が気持ち悪い」という子どもたちからの声などを受けて、ジャポニカ学習帳の表紙が花に変わったなんて、報道されていたような…。実は、昆虫写真が撮れなくなったというのも要因の一つだったのですね。そんな波瀾万丈な出来事があったにもかかわらず、あえて昆虫シリーズの学習帳を今回復活させたいきさつは何でしょうか? 「虫が表紙からなくなった2012年時点では、世間のリアクションはほぼなかったのですが、数年後、とある取材を通じて『昆虫って今ないんですか?』と驚かれ、メディアに取り上げられたんです。すると、『ジャポニカ学習帳から昆虫が消えていた』と大変話題になったのです。ただ、われわれとしても昆虫シリーズはすごく大切にしていたブランドでしたから、どこかで再び日の目を見せてあげたいなという思いもすごくありました。そこで、常設のレギュラー商品として残すことは難しいものの、今回50年という節目を迎えることもあり、スポットで記念品としてというのであれば、ちょっとやってみてもいいかなと。ささやかながら虫シリーズを復活させました」 ――なるほど。一部の昆虫ファンや私たちのような“昆虫”のジャポニカ学習帳を慣れ親しんできた世代にとっては、とてもうれしい復活です。ところで、虫といえば・・・最近、無印良品さんが「コオロギせんべい」を出すなど話題になりましたね。 「はい。無印良品さんは徳島大学と連携してコオロギ粉末入りのせんべいを開発されたそうです。最近、栄養価も高い昆虫食は、世界で危ぶまれている食糧危機への対策としても注目されています。一方で、2019年2月ごろでしたか、イギリスのBBCニュースで『最新の専門機関の調査によると、昆虫の減少が世界中ほぼ全ての地域で起きており、向こう数十年で全体の40%が絶滅する恐れがある』などの報道も出ました。このように自然環境の分野で、昆虫自体が話題になっていることもありまして。だからこそ、今回の昆虫シリーズの復活は、自然環境の観点からも子どもたちに昆虫への関心を持ってもらいたいという思いもありますね」 ――昆虫の減少…昆虫の3分の1が絶滅危惧種だと聞いたことがあります。少し話は脱線しますが、なぜ昆虫が減少してきたのでしょうか? 「集中的な農業や殺虫剤、地球温暖化といった気候変動などによって全般的に昆虫の数が減っているようです。昆虫シリーズを通じて、昆虫の生態を含め、昆虫の“今”を子どもたちに知るきっかけになればと思っています。今回の昆虫写真シリーズは、写真をずっと撮っていただいている山口進さんの選りすぐりの写真を掲載。図鑑に載っていない昆虫写真もありますし、昆虫自体の形の面白さや色の奇抜さなどが伝わるような仕上がりとなっております」 ■虫が苦手な子も大丈夫?…かわいいイラストシリーズも登場 ――昆虫に興味のある子どもたちにはたまらないですね。ただ、昆虫のリアルなアップ写真もありますので、やはり苦手な子どもたちが手にすることは難しいかなとは思いますが…。 「『リアルな昆虫写真は嫌』という子どもたちのためにもと、実はイラストレーターの里見佳音(さとみ・かおと)さんに書き下ろしていただいた、かわいい昆虫イラストシリーズの学習帳もご用意しております。昆虫が苦手な子どもたちにもぜひ手に取っていただけたらうれしいです」 ――いろいろご配慮あっての昆虫シリーズの復活。期間限定ということですが、皆さんの反応によっては昆虫シリーズを本格的に再開する可能性はありますか? 「子どもたちに気に入っていただけたら、イラストシリーズを含め昆虫シリーズ再開の可能性もあるかもしれません」 ショウワノートから発売される「ジャポニカ学習帳50周年記念 昆虫シリーズ」は、1978年から世界各地を飛び回ってジャポニカ学習帳の写真を撮影してきた昆虫生態カメラマン・山口進さんの昆虫写真を使った表紙と、かわいい昆虫のイラストが描かれた表紙の2シリーズ、全10種類(B5判・各税抜190円)。27日ごろから順次出荷される予定。 昆虫シリーズの復活から継続となるか…子どもたちの反応はいかに? (まいどなニュース特約・渡辺 晴子)

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