イーサリアム、アクティビティと機関投資家需要の高まりで5000ドルに向かう
分析会社CryptoQuantのアナリストは、投資家からの需要、オンチェーン指標、ネットワークアクティビティにより、イーサリアムが初めて5000ドルの水準に到達する準備が整いつつあるとレポートで述べている。 イーサリアム現物ETFは12日に13日間連続の資金流入を記録し、累積純流入額が約20億ドルに達した。同ETFは7月から12月上旬にかけて最初の10億ドルを集めたが、SoSoValueのデータによると、次の10億ドルを獲得するのに必要な取引日数はわずか5日だった。 1日の総取引高は、2023年までの約500万ドルと比較すると、ここ数カ月は650万~750万ドルの水準で推移しており、ネットワークアクティビティの活発化を示している。 一方、イーサリアムの総供給高は2023年4月以来の高水準に達したが、手数料としてバーンされる量は9月以降増加している。イーサリアムの総供給高は1億2000万ドルに達し、2023年4月以来の高水準となった。 バーンとは、誰も管理していないウォレットにトークンを送ることで流通からトークンを恒久的に取り除くことを指す。ネットワークのアクティビティと需要が高まると、バーンレートが上昇し、供給の成長が制限され、デフレ圧力が生じる。 イーサリアムにおけるネットワークアクティビティの増加は、分散型アプリケーション(Dapp)の普及を反映し、ネットワークの利用やその機能に対する需要の増加を示唆している。 さらに、アクティビティが活発な時期にはバーンレートが発行スピードを上回ることもあるため、取引手数料としてより多くのイーサリアムがバーンされることになり、供給全体にデフレ圧力が生じる可能性がある。 これらの要因が積み重なって、イーサリアムは2021年に記録した史上最高値を上回る準備が整っている。 「現在の需要と供給のダイナミクスが続けば、5000ドルを超える可能性がある」とCryptoQuantは分析し、次のように続ける。 「イーサリアムの実現価格(保有者の平均購入価格)によると、イーサリアムの価格の現在の上限は約5200ドルとなっている。この上限は、2021年の強気相場でピークを記録した。しかし、新たな市場参加者がより高い価格で購入するにつれて、上限価格は上昇を続けている」 イーサリアム価格の最近の急騰は、イーサリアムエコシステム内にロックされた資産(TVL)の総額を大幅に増加させ、12日には2022年1月以来の最高水準である770億ドルに達した。 これらの資産の大部分は、わずか3つの主要なアプリケーションによって管理されている。リド(Lido)は380億ドル以上のステークドイーサを保有し、リキッド・ステーキング・プロトコルとして最大規模を誇っている。アーベ(Aave)は190億ドルをさまざまな資産に分散し、レンディングプラットフォームとして機能。リステーキングプラットフォームのアイゲンレイヤー(EigenLayer)は、180億ドルを保有している。 イーサリアムネットワークは11月、いくつかの主要指標で顕著な上昇を記録した。収益、取引手数料、新規ウォレット作成、オンチェーンボリュームが増加しており、これらはすべて5月から9月の低迷期と比較すると、アクティビティが活発化していることを示している。 イーサは2022年以降、ビットコインや他の主要トークンのパフォーマンスを大きく下回っていたが、11月の米大統領選でトランプ氏が勝利し、投資家の間でDeFi(分散型金融)強気相場への期待が再燃した後、強気センチメントが復活した。 トランプ氏は選挙で、暗号資産(仮想通貨)に対する規制圧力の緩和の可能性を示唆しており、米国内のDeFiプラットフォームにとっては好環境となる可能性がある。この期待がイーサリアムの需要増加の起爆剤となり、11月上旬以降の主要DeFiトークンの成長を後押ししている。 |翻訳・編集:山口晶子|画像:Shutterstock|原文:Ethereum’s Ether Headed to $5K as Activity, Institutional Demand Grows
CoinDesk Japan 編集部