英国王室に伝わる婚約指輪の歴史
ヴィクトリア王女時代から、英国ロイヤルファミリーに大切にされてきた婚約指輪の伝統やしきたり。きらびやかな宝石からシンプルなダイヤモンド、そしてファミリーに伝わる家宝から新しく取り入れられたものまで、デザインやスタイルはその時代やトレンドによってさまざまなものがあったそう。ロイヤルファミリーから次の婚約発表まではしばらく時間がかかりそうだが、いつ見ても色あせないアイコニックな婚約指輪たちを歴史とともに紐解く。US版「エル」より。
婚約指輪のはじまりは?
婚約指輪をプレゼントする習慣は、古くローマ時代まで遡る。1477年に、初めてのダイヤモンドの指輪が、後に後の神聖ローマ皇帝であるハプスブルク家のマクシミリアン1世から、マリー・ド・ブルゴーニュに贈られたそう。この頃からダイヤモンドの婚約指輪をプレゼントするトレンドがヨーロッパの貴族の間で大流行。
ヴィクトリア女王(1839年)
19世紀初頭まではまだ、花嫁が婚約指輪を受け取ることはまだ一般的ではなかった。しかし、白いウェディングドレスと同様、婚約指輪を一躍一般市民にも普及させたのは、ビクトリア王女。 ザクセン=コーブルク=ゴータ公国の公子アルバートがヴィクトリア王女にプロポーズした際に贈ったのは、18カラットのゴールドにさまざまな色の宝石がちりばめられたリングだった。
婚約指輪
ヴィクトリア王女がもらった婚約指輪はとてもユニークで、巻きついた蛇をデザインしたもの。2つの赤いルビーが目になっていて、ダイヤモンドが蛇の口の周りにちりばめられ、真ん中には大きなエメラルドのストーン(ヴィクトリア王女の誕生石)が。 この写真はアルバートが亡くなった後に、ヴィクトリア女王の右手にはめられた婚約指輪。
ヴィクトリア王女(1855年)
プリンセス・ロイヤルの称号が与えられていた、ヴィクトリア女王の娘のヴィクトリア王女は、プロイセンのフリードリヒ王子と1856年に婚約。フィアンセのフリードリヒ王子が婚約指輪を渡している様子が描かれているのがこの絵画。英国とプロイセンが同盟を結ぶために、若くして結婚の話が進められたそう。