「再雇用」か「再就職」か。50歳から考える定年退職後のネクストキャリア
50歳を迎えると定年後の生活や仕事を考え始めます。日本生命保険相互会社の調査では、定年後も仕事を続けたい50代が85.6%もいることが分かっています。 その一方で「再雇用」と「再就職」のどちらにするか、定まっていない人もいるのではないでしょうか。本記事では「再雇用」と「再就職」の違いを、賃金水準や国の給付金制度の観点から解説していきます。
定年退職後の働き方と賃金水準を解説
定年退職をすると一般的に「再雇用」か「再就職」のどちらかを選択します。「再雇用」と「再就職」で賃金水準がどれほど変わるかを解説します。特に定年後の生活を考えるうえで、賃金の実態はしっかり理解しておきましょう。 ・再雇用と再就職の定義 再雇用とは勤めていた会社をいったん退職して、同じ会社で65歳まで雇用契約を結び直す制度です。再雇用は定年前に面談を行いながら、担当者と具体的な再雇用の条件をすり合わせます。 再就職は勤めていた会社を退職し、新たな会社で働くことをいいます。ハローワークやシルバー人材センター、人材紹介サービスを使って、自分で働く場所を探していく必要があります。 ・再雇用と再就職の賃金をそれぞれ現役時と比較 定年後の賃金は、現役時と比べてどちらも少なくなることを想定しておきましょう。厚生労働省が行った再雇用に関する調査によると、賃金水準は平均で退職前の78.7%であると発表しています。 再就職に関する厚生労働省の調査では、定年前より賃金が減った人が67.6%いることが明らかになりました。
1割以上減少している人の割合が61.2%なので、再就職も大きく収入が減ることを想定しておく必要があります。
再雇用と再就職のメリットとデメリットを解説
再雇用をするか再就職するかで、メリットとデメリットは大きく変わります。再就職と再雇用のメリットとデメリットを比較しながら解説します。 ・再雇用のメリットとデメリット ・メリット:厚生年金の加入期間が延長されるので受給額が増える ・デメリット:65歳以降は自分で仕事を探さないといけない 60歳以降も厚生年金に加入するので、厚生年金が増えて受け取れる点がメリットです。反面65歳までしか働けない点はデメリットになります。65歳以降は年金しか収入源がないので、場合によっては退職金や貯金を切り崩す生活をしなければなりません。 早くから貯金や資産を切り崩すと、途中で資産がゼロになって生活を圧迫するリスクもあります。働ける期間が短いため、その後の生活設計は考慮しておきましょう。 ・再就職のメリットとデメリット ・メリット:65歳以降も働けるので資産を切り崩すリスクを回避できる ・デメリット:再就職が決まらないと収入が入らない期間が続いてしまう 再就職は65歳以降も働ける可能性があるため、年金以外の収入を確保できます。一方で、再就職が決まらないと収入が入らない点はデメリットです。定年前から働き続けることを見据えて、自分に合う仕事を見つけておくことが大切です。