大黒柱が不在の中、数少ない4年生として…… 落ち込んだとき、LINEや手紙で励ましてくれたのは頼もしい後輩たち
第3クオーター(Q)の連続得点で一時は逆転に成功し、前回の準優勝チームを追い詰めた。12月6日にあった第76回全日本大学バスケットボール選手権(インカレ)の女子準々決勝。早稲田大学は東京医療保健大学と点を取り合い、最終的なスコアは91-100。今大会の主将を務めた江頭璃梨(りり、4年、小林)は「後輩たちは本当に最高の仲間」と感謝の言葉を口にした。 【写真】タイムアウト明けに仲間へ声をかける江頭璃梨
第3Qに怒濤の追い上げで、一時逆転に成功
序盤は東京医療保健大がリードを保った。身長187cmのセンター、ジュフ・ハディジャトゥ(1年、岐阜女子)にボールを集め、ゴール下から連続得点。時にバスケットカウントも獲得した。ただ、早稲田大も菊地実蘭(2年、桜花学園)が3ポイントを決めるなど、食い下がる。シックスマンの役割を担う江頭は、第1Qの途中でセンターと代わって登場。20-22で第1Qを終え、第2Q終了時点では53-61と8点差がついていた。 第3Qで早稲田が怒濤(どとう)の追い上げを見せた。最大10点差がついたところから、菊地や山宮好葉(2年、東京成徳大高)が3ポイントを成功させ、さらに山宮の個人技もさえた。71-72と1点差に迫ったところで、西ファトゥマ七南(3年、昭和学院)が3ポイントを沈める。ついにこの試合で初めてリードを奪った。 西は今年、3x3の世代別代表に選ばれ、国際舞台を経験した。江頭によると、そこから西のプレースタイルが劇的に変化したと言う。「そこで自信をつかんだのかは分からないんですけど、今まではもっと下を向いて、楽しくなさそうにプレーしていたんです。点数もあまり取りにいかないタイプだったけど、すごく変わった。あの子が試合の流れを変えてくれたし、ずっとつないでくれた。期待のプレーヤーです」 早稲田のオフェンスは戦術をガチガチに組まないことが、特徴の一つだ。相手のディフェンスと1対1で勝負し、抜き去った後は選手一人ひとりの特徴に合わせたオフェンスを展開する。関東1部の上位チームがシステマティックな動きをするのとは、対照的でもある。ただそれは「点は取れるけど、負けるときはそれ以上に取られる」という側面もある。76-75で最終第4Qを迎え、一時はリードを5点に広げた場面もあったが、最後は東京医療保健大の地力に屈した。