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犯人はずかずか入ってくる…相次ぐ果物や家畜の盗難、農家ら敷地警備に苦慮 家畜の病気、再び広がる危険も

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埼玉新聞

 埼玉県北部を中心に8月ごろから果物や家畜の盗難が相次ぎ、県内の農家や畜産関係者が防犯対策に頭を悩まされている。果物を育てる農業関係者は、広い敷地内の警備に苦慮し、豚を育てる畜産関係者は、感染病の不安に駆られながら警戒に当たっている。県や県警、地元自治体なども、県内の農業を守ろうと試行錯誤しながら警備強化に努めている。 子豚130頭が盗まれる…行田の農場 頭数検査で発覚、325万円相当の被害 夜間は無人

 県警によると、8月1日~9月11日にかけて、神川町や上里町、白岡市の6軒の農家で梨が盗まれる事件が発生。被害は計約5千個、総額約116万円に上った。県農業支援課によると、9月17日には新たに久喜市で3軒、計約1800個の梨が盗まれたという。  同課は生産者の営農意欲を失わせる深刻な事態と捉え、ネットや柵の設置、地域内での情報共有の徹底などを各関係機関を通じて呼び掛けている。4軒の梨被害が出ている神川町では16日、本庄署、農家、農協関係者らが協議し、注意喚起の看板設置や見回り活動を官民連携で行っていくことを確認した。 ■敷地9千平方メートル  8月19、20日の夜にブランド梨「彩玉」を計約90個(被害総額約5万円)盗まれた同町の男性園主(53)は「全ての畑を見張るには限界がある」と、総面積約9千平方メートルの梨園の警備に苦慮する。「遠くの畑はテントを設置して見張らない限り、防ぎようがない。侵入しやすい畑の警備強化を町や警察と進めていく」と話していた。

 町内でブドウや桃などの果実を生産・販売している「とみた農園」は、9月5日の夜にシャインマスカットの盗難被害に遭った。  園主の冨田裕さん(73)によると、木に成ったシャインマスカット約80房が取られ、そのうち大半は地面に落ち、踏みつぶされていたという。冨田さんは今後、網の強化と防犯カメラ設置を検討している。 ■豚熱再燃の恐れ  一方、今年に入り、群馬などの県境周辺では家畜の盗難が相次いで発生。県内の養豚場も被害を受けた。県警によると、5月下旬に本庄市で子豚2頭が、今月10日には行田市で約130頭の子豚が盗まれた。  2500頭の豚を飼育する県北部の農場では、畜舎のフェンス強化や防犯カメラの増設などの対策を取った。30代の男性農場長は「豚が盗まれることで、病気が出回ってしまう危険性がある」と不安視する。  昨年9月に県内の養豚場で家畜伝染病「豚熱(CSF)」の発生が確認されて以降、同農場では畜舎内の入場制限を厳しくし、従業員や業者が出入りする際は小まめな消毒を徹底している。

 豚は、牛など他の家畜と違い、さまざまな疾病を引き起こす可能性が高い。農場長は「犯人は衛生面などを気にせず、ずかずかと入ってくる。豚熱のワクチン接種が浸透してきているのに、盗難が続くと豚の病気が再び広がってしまう。安全を重視しながら警戒しなければ」と気を張っていた。  県畜産安全課は、被害状況の確認と、豚熱対策のためにも、「家畜の飼育数を小まめにチェックしてほしい」と県内農家に呼び掛けている。

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