【まだ押しが弱い?】マツダMX-30 ズバリ「2.5Lターボを積むべき」
個性的なクルマ、MX-30
text:Takahiro Kudo(工藤貴宏) editor:Taro Ueno(上野太朗) 【写真】身内にもライバル?【MX-30/CX-30を比べる】 (240枚) 独特のクーペフォルムに、コルクをコーディネートしたインテリア。なかでも観音開きとしたドアは流行しているクーペ風SUVのなかでも異彩を放っている。 これぞ本当のSUVクーペ。MX-30の神髄はそこにあるのではないだろうか。 5ドアだと考えれば実用面で満足できない部分もあるけれど、最初からリアドアのない3ドアだと思って実用性を期待しなければなんてことはない。 むしろ、ないものと思って接すれば、不便と思われがちなリアドアがしっかりと実用性を高めてくれることに気づく。普通とは逆に開くリアドアは、たとえばリアシートにバッグを置く(取り出す)状況で本当に便利だ。 いま「クーペスタイルSUV」がトレンドになっている。 しかし、MX-30を見ると、ほかの4ドアのままテールゲートを寝かせた、いわゆる「クーペ風」はまだまだ思い切りが足りないと思う。MX-30くらい開き直らないと胸を張って個性を主張できないのではないだろうか。 個人的にはそう考えるが、やはり世の中はそうはいかないようだ。 クーペ風スタイルがもてはやされているとはいっても「実用性の犠牲が(ほぼ)ない」というのが前提にあるからであって、やはりリアドアがないMX-30のようなモデルは選びにくいようだ。その気持ちはわからなくもない。 だから、兄弟車でしっかりリアドアのあるCX-30が北米で大成功、日本でもそれなりにヒットしているのに対し、MX-30はそもそも低く見積もられた目標台数こそ受注ベースのカウントではクリアしているものの、大きな盛り上がりとはなっていない。 それはそうだろう。よほどの決め手がなければ、CX-30ではなく、使い勝手で劣るMX-30を選ぶという判断にはなりにくい。その気持ちもよくわかる。 そこで今回は、MX-30の魅力を高める方法を考えてみたい。MX-30の生き残り策といってもいいかもしれない。結論からいえば、そのヒントはパワートレインにあるのではないだろうか。