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池江・森保ジャパン・大坂――日本のスポーツに見る「疾走する現場」と「錆びつく中枢」

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スポーツが世界を結ぶ

 大坂なおみ選手が全米オープンに続いて全豪オープンでも優勝し、世界ランク1位となったことは、テニス界にとっても日本にとっても、歴史的な快挙であった。父親はハイチ出身だが、スポーツ界ではこういったケースが増えていて、これも日本のイメージを変えていくだろう。欧米では当たり前のことだが、今後日本も、国家と民族と文化の関係に柔軟であることが求められる。そしてこういった肌の色や国籍の問題に関して、広告業界とマスコミの意識が低いことも話題になった。  それにしても、卓球、バドミントン、フィギュアとスピードのスケート、スキージャンプにスノーボードやスケートボードなど、世界のスポーツシーンで日本選手の活躍が目立つ。オリンピックでも多くのメダルを獲得、冬のオリンピックでもアジアではダントツ。体格に恵まれない小さな国がなぜだろうと思うほどである。大人たちは「今の若いものは…」と嘆きがちだが、ことスポーツに関する限り、若者はとても頑張っている。  そして一般に、日本人選手はフェアプレーだ。日本人ファンもゴミをもって帰るなどマナーがいい。しかもそれが国際的な評価になりつつあるから、外務省以上の外交力であるかもしれず、“半端ない“ほど高額の兵器を購入するより安全保障に寄与するかもしれない。  女子サッカーのなでしこジャパンがワールドカップで優勝したときも、その快挙とともにフェアプレーがヨーロッパのマスコミで話題になったが、逆に日本のマスコミは、日本選手のことしか報じない傾向があって視野が狭い。たとえばイチロー選手や大谷選手に対するアメリカ人の素直な賞賛は気持ちが良い。

オリンピック招致

 その一方で、東京オリンピックの招致に贈賄疑惑が報じられ、竹田恒和・日本オリンピック委員会(JOC)会長がフランス司法当局の捜査対象となっている。  個人名があがっているが、招致合戦には、広告代理店の戦略と政界の大物たちの指示的同意があったことは想像に難くない。日本のスポーツ組織全体の問題だ。僕は2005年の愛知万博に関わっていたが、誘致に努力した人によると、パリの博覧会国際事務局ではいまだにハプスブルク家の末裔が影響力をもっているという。そういうところへの働きかけは必要なのだろうが、度を過ぎれば司法の目が光るからこの点でもフェアプレーの精神が求められる。  それにしてもこのところ、大相撲をはじめ、アメフト、レスリング、体操、ボクシングなどの指導者、組織の不祥事が相次いだ。JOC会長、あるいは五輪相といえば、そういったスポーツ組織の中枢の中の中枢ではないか。彼らはなぜフェアプレーではないのだろうか。つまりスポーツの世界で、現場は健気に頑張っているが、その社会的中枢はかなり腐食していると考えざるをえないのだ。前にこれを「中枢劣化」と書いた*1。  今、世界では、観光とともにスポーツが大きな産業となっている。肥大するスポーツビジネスの利権に群がる人は多いが、組織の整備と成熟と人選が追いつかないのではないか。

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