明日因縁リマッチ!WBC王者・矢吹正道と前王者・拳四朗の間でゴング前の心理戦…「バッティングに要注意」…勝つのはどっちだ!
ヨックタイ・シスオー(タイ)とのリマッチでWBA世界スーパーフライ級王座を獲得した経験のある理論派の飯田覚士氏は、こんな展開予想をする。 「どちらにも勝つ可能性があり5分5分としか言えない。勝敗をわけるのは、駆け引きとペース、そしてコンディションだと思っている。本人のコメントの通り、寺地選手の戦い方は左ジャブを主体にしたものでこれまでと変わらない。問題は矢吹選手がどんなボクシングをするのか、ということ。前回とは一転して王者のボクシングをして距離をとりジャブをガードで止めて徹底的にカウンター狙いに出てきたら、寺地選手はやりづらくなると思う。前回同様に矢吹選手が前に出てきたら、寺地選手が自分のボクシングを崩さずに最後まで徹底できるかがカギを握ると思う。私の再戦のときは怪我もあり、やることがひとつしかなかったので、それを徹底した。互いに手の内を知っているからこそ、何をどう徹底するかが重要になってくる」 矢吹は飯田氏の緑ジムの後輩にあたるが、忖度無しの見解だという。 前回は直前にかかった新型コロナの影響もあり、拳四朗は減量も含めてベストのコンディションではなかった。下半身の踏み込みが甘く、必然、ジャブが浅くなり、ジャッジが支持できなかったという側面もあった。今回は、寺地会長が「見違えるくらいにいい」と断言する調整具合。そのコンディションで放つジャブを4ラウンドの公開採点の時点でどう評価されるか。そこも勝敗を分ける駆け引きの分岐点にはなるだろう。 いずれにしろ矢吹のファイティングスピリットと拳四朗の王座奪回に懸ける 会見後の写真撮影では、こんな一コマがあった。 迷彩服を脱いだ矢吹が、ネットで手に入れたというサウザーのTシャツを仕込んでいた。それを見た拳四朗が「サウザーやん」と突っ込んで両選手に笑みがこぼれた。サウザーは漫画「北斗の拳」に“聖帝”として登場し、ケンシロウと1勝1敗の激闘を演じた強敵である。 「最初は有名なラオウにしようかと思ったけどそっちだとケンシロウの兄弟になるから。パチンコだとケンシロウに勝つんで。『引かぬ、媚びぬ、省みぬ!』。それ書いておいてくださいよ」 王者はサウザーの名セリフを自らの戦いに置き換えて不敵に笑った。ちなみに「パチンコだと勝つんで」の意味は、パチンコ台に採用されている「北斗の拳シリーズ」では、台の画面上にサウザーが登場するとケンシロウに勝つケースが多く、なかなか大当たりにならないことを指しているそうである。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)