明日因縁リマッチ!WBC王者・矢吹正道と前王者・拳四朗の間でゴング前の心理戦…「バッティングに要注意」…勝つのはどっちだ!
王座奪回を狙う拳四朗陣営にとって気になる情報も飛び込んできた。今回の世界戦のジャッジ構成の3人中2人が前回の試合と同じ顔ぶれとなったのだ。 前回の試合では、拳四朗は4ラウンドまで左ジャブを主体に試合をコントール。セルフジャッジでは「最低2つはポイントを取っている」と計算していたが、公開された途中採点では、ジャッジ3人のうち1人がドロー、2人が40-36のフルマークで矢吹を支持していた。拳四朗のジャブは評価されず、矢吹の効果打と攻勢点が支持されたのである。拳四朗の作戦が狂い、強引に前へと出なければならなくなり、さらに矢吹の術中にはまったことが敗因のひとつになった。 偶然のバッティングによる出血を打撃によるものだと誤認した前回のレフェリーは、今回のジャッジからも外されたが、新型コロナ禍の影響でオフィシャルを海外から呼ぶことができず、国内でWBC世界戦のジャッジができる人物を選ばねばならない事情も手伝い、ジャッジの3人中2人が重なった。もし2人が同じ判断基準で、ジャッジをすれば拳四朗のジャブは、またポイントにならない可能性がある。だが、逆に試合後に、その採点に対する論争が起きたことで、2人のジャッジが今度はジャブを評価に加えるという可能性もある。 矢吹は、「自分はそこまでポイントを気にせず戦おうと思っている。ただジャッジも人間なんで世間の目を気にして自分にポイントを与えづらいかも」と後者を危惧。 一方の拳四朗は、「(前回)ジャブは、あまりとってもらえなかった。ジャブからしっかりと右を返していければいい。今までと変わらない。自分のスタイルを突き通して圧勝したいです」と、前回と同様にジャブから試合を組み立てることを明かした。 寺地会長も、こう言う。 「ジャブを取ってもらえない。あるいは、矢吹がまた同じように突っ込んできても対応する準備はしてきた。ジャッジ2人が同じなのは、気にはなるが、プロモーターも判断したことなので問題はない。いずれにしろ12ラウンドはいかない。おそらく打ち合いになるが、こっちは前みたいにディフェンスは甘くない。KOで決着がつきますよ」 過去に世界王座から陥落した日本人ボクサーのリマッチは15度あるが、王座奪回に成功した例は5度しかない。輪島功一2度、辰吉丈一郎、徳山昌守、村田諒太の計5度だ。データ的には敗れた拳四朗が不利だが、果たして試合はどうなるのか。