明日因縁リマッチ!WBC王者・矢吹正道と前王者・拳四朗の間でゴング前の心理戦…「バッティングに要注意」…勝つのはどっちだ!
プロボクシングのWBC世界ライトフライ級王者の矢吹正道(29、緑)と前王者の寺地拳四朗(30、BMB)のダイレクトリマッチ(19日・京都市体育館)の調印式、会見並びに予備検診、新型コロナの抗原検査が17日、京都府宇治市のBMBジムで行われ、両選手ともに異常無しと診断された。今日18日には、計量並びにルールミーティングが行われるが、寺地陣営は、「バッティングをしっかりと見てもらうように訴える」と牽制。前回の試合で拳四朗のジャブを評価するかしないかで論争となったジャッジ構成は、3人中2人が前回と同じになり、公開される途中採点も含めて、試合への影響がどう出るかも注目ポイントとなった。昨年度の年間最高試合を獲得したこのカード。激戦必至だ。
「ライトフライ級で僕が一番強い」
チャンピオンの矢吹は「普段バスに乗ってジムに通っている格好」と帽子も含めた全身迷彩模様のジャージという異様な出で立ちで会見場に現れた。 「普段通りの気持ちで戦いをするという証か」と聞くと「そうだ」とニヤついた。 一方の挑戦者の拳四朗もTシャツ1枚のラフな格好。調印式で行われたグローブ選択では、通常は提示された2つを実際にはめてみて感触のいい方を選ぶものだが、「いつもそうだけどなんでも一緒」と触ることさえせずに目の前にあったグローブにサインした。 両者は1月の対戦発表会見以来の顔合わせとなる。 矢吹が「今までで一番強い拳四朗選手と戦えるのでワクワクしている。しっかりと勝つだけ」と言えば、拳四朗も「早くベルトを返してもらいたい。ライトフライ級で僕が一番強いと思っている。自信も含めて取り返すつもりで試合をします」と返した。 因縁のカードである。 昨年9月に京都市体育館で行われた世界戦では寺地が10回TKOで世界初挑戦の矢吹に敗れて9度目の防衛に失敗した。どちらが倒れてもおかしくない死闘となり、年間最高試合にも選ばれたが、寺地陣営は「打撃によるもの」と判断された目の上の出血に対して「故意バッティングがあったのでは?」との質問状をJBCに提出。JBCが再検証を行い、故意バッティングは認めなかったが、経緯報告を受けたWBCが特例としてダイレクトリマッチを指令してきたという経緯がある。 今日18日には、計量及びルールミーティングが行われるが、寺地の父でジムの会長でもある寺地永氏は、そこで、ある行動を起こすことを明言した。 「前回のことがあるのでレフェリーにバッティングをしっかりと見てもらうように改めてお願いします」 前回の対戦では、拳四朗の左ジャブと距離は、体ごと突っ込んでくる矢吹のスタイルに潰された。矢吹は拳四朗のジャブの強弱に合わせて対応策を練り、右ストレートやワンツー、フックを思い切り踏み込んでかぶせて、積極的に前へ出た。そこで偶然のバッティングが起き、拳四朗が流血してしまったわけだが、挑戦者陣営からすれば、試合前から、矢吹へ心理的プレッシャーをかけて、なんとか、その出足と勢いを止めておきたいという狙いがある。 それでも矢吹は「バッティングは気にしていない。前回同様アグレッシブにいく」と宣言。一連の故意バッティング騒動や寺地陣営の心理的仕掛けにも動じていなかった。