「コロナよりも怖いのは人間だった」。ドラッグストアの店員が語る恐怖の体験
工業会「十分な供給量・在庫ある」
トイレットペーパーなど紙製品の輸入や生産が滞っているという情報は、誤りだ。しかし、根拠なき噂が広がり、一時的に「マスクの次は、トイレットペーパーやティッシュペーパーがなくなる」との話は現実のものとなり、ただちに必要とする人たちに行き渡らない事態となった。 そして、消費者の不安や怒りの矛先が、落ち度はない各店舗の店員に向かうという構図が生まれているようだ。 製紙メーカーの業界団体・日本家庭紙工業会によると、国内で流通するトイレットペーパーのほとんどは国内生産で、原材料も国産。中国の影響は受けにくいのが実情だ。 同工業会は2月28日、生産能力が落ちているという噂を全面的に否定し、こう伝えた。 「トイレットペーパー、ティシューペーパーについては殆どが国内工場で生産されており、新型コロナウイルスによる影響を受けず、現在も通常通りの生産・供給を行っております」 「原材料調達についても中国に依存しておらず、製品在庫も十分にありますので、需要を満たす十分な供給量・在庫を確保しています」 「物流が整い次第、皆様のお手元に届くようになります。どうぞご安心ください」 つまり、各店頭での在庫が切れているのは、生産能力の問題ではない。噂を信じた消費者や「念のため」との思いに駆られた人らが各地で購入に走ったためで、一時的なものというのだ。 経済産業省も、工業会による声明を引用して「輸入や生産が滞っている」という噂を改めて否定しただけでなく、2月29日には安倍晋三首相が会見で、国民にこう呼びかけた。 「冷静な購買活動をお願いしたい。事実でない噂が飛び交っています。トイレットペーパーのほぼ全量が国内生産であり、十分な供給量や在庫が確保されています。正確な情報をいち早く発信します」
投稿に寄せられた同様の訴え、感謝の言葉
3月1日正午現在、tamaさんの投稿は28万以上リツイートされている。「私も同じドラッグストアの店員です。人の嫌な部分をたくさん見て本当に心から疲れました」「私も同じ目に遭っています。発狂しそうです。早く終息する事を願っております」と切実な声が、相次いで寄せられている。 tamaさんの店舗では現在、トイレットペーパーやティッシュペーパーについて数量制限を設けているが、開店時には消費者が店頭に並び、開店後すぐにその日の入荷分がなくなるという。 また、制限をかけていない生理用品などの商品についても棚が「空っぽになる」と話す。 BuzzFeed Newsの取材に「共感や気づきのコメントが多く、さらに『声をあげてくれてありがとう』などの言葉もあり、『自分だけじゃないんだ!』と、少し気持ちを楽になり、仕事ができました。反対に『ありがとうございます』という気持ちになりました」と、Twitterのユーザーたちに感謝した。