大阪市廃止に、分割コストでまだまだ加熱中!『大阪都構想』勝手に歩きルポ(オフィス・シュンキ)
目に入ってくるポスター。今回の選挙を宣伝する、大阪市選挙管理委員が作成した投票を促すポスターなのですが、本来、目に強く入らなければいけない「行こう!投票」のキャッチコピーや豹の写真、投票日の「11月1日」の赤文字以上に、「大阪市廃止・特別区設置住民投票」の文字が、目に衝撃的に入ってきました。 公式のポスターなのですから、公平中立。しかし、この「廃止」の文字をどう捉えたら、でした。投票率を上げるための、前向きな感覚が求められるはずのポスターに「廃止」というネガティブととられても仕方のない文字がある不思議。それが、大阪市とつながって、ポスターの文字となっているのですから、正直、驚きました。 インパクト十分だったのですが、それは、私にとっては、デザインというよりも、文言によるものでした。通称「都構想」といわれていたものの、投票で問われるべきことを端的に表した文字群。反対派が一か月前に危惧していた、「大阪市がなくなるが伝わっていない」は、このポスターが、大阪市内を走る地下鉄やバスをはじめ、公共のあらゆる場所に貼られていることで、なくなった、と、思わざるを得ませんでした。
ポスターに衝撃を受けたその足で、賛成派の有志が、住之江区で催した「都構想ウォーク」に参加してみました。南海電鉄の「粉浜」駅から、地下鉄四つ橋線「玉出」に至るまで、約2時間のウォーク。日本維新の会からは、東京都の区議らが参加して、約30人での街頭活動でした。 2か所のスポットで、「都」である東京都の区議は、横浜市の水道料金を12パーセント挙げる方針、神戸市の敬老無料乗車券の廃止、京都市の来年度予算500億円不足の見通し、など、ここ最近の政令指定都市で起こった出来事を並べることで、大阪市が「政令指定都市」にこだわる必要がないことをアピールし、住民サービスの低下など起こりえないことも丁寧に説明。 この東京都の区議は「住民サービスに関して東京都と大阪府の財源では、スケールが違いすぎますよね。そこを、反対派の方に言われればどうするのですか?」の私の質問に、「現実に東京都は(財源で考えると)特別ですからね」と、現在、この財源の格差に関する確実な反証情報を持ち合わせていないことも正直に語られていました。 同じ日。今度は、自民党大阪府連が主催する「住民説明会」に取材参加しようとしたのですが、手違いもあって、会場の中には入れていただけませんでした。しかし、会場内で配られた資料は受付でいただけたのと、ネットでの同時配信があったことで、会場外でパソコン画面とにらめっことなったにもかかわらず、大事には至らず、でした。ただ、「記者クラブに通知を出している」と、既存メディアだけ、という自民党大阪府連の姿勢には、いろんな意味も含めて「なるほどな」と思ったことは付け加えておきます。 この説明会で示された、前回と今回の投票用紙の変更も驚きました。前回の「大阪市における特別区の設置についての投票」と書かれている部分が、「大阪市を廃止し特別区を設置することについての投票」となり、「特別区の設置について賛成の人は賛成と書き」の部分が、「大阪市を廃止し特別区を設置することについて賛成の人は賛成と書き」と変わっていました。「大阪市を廃止」が一枚の投票用紙の中に、今回は2度出てきており、これも「ポスター」と同じく、インパクトを感じさせてくれるように私は感じました。