メルセデスベンツの伝説的F1マシン『W 196 R』、オークション出品へ
世界的に有名なレーシングカーの1台、1954年製メルセデスベンツ『W 196 R』 のフォーミュラワン「ストロムリニエンレンヴァーゲン」(シャーシナンバー00009/54)が、2025年2月1日にオークションに出品される。 メルセデスベンツの伝説的F1マシン『W 196 R』 この車両は、インディアナポリス・モーター・スピードウェイ博物館が所有する11台のコレクションの一部で、RMサザビーズが3回のオークションシリーズで出品する。メルセデスベンツ・クラシックとの緊密な協力のもと、フェルバッハにあるメルセデスベンツ・クラシックセンターの専門家たちが、車両の真正性と信頼性に関する製造元の専門家報告書を作成中だ。 W 196 Rは、1954年から適用された新しい「2.5リットルまで」の規制に合わせて開発された。複雑なヒルト・ローラーベアリング・クランクシャフトを中心に設計された直列8気筒エンジンを搭載し、燃料噴射式パワープラントは2シーズンの開発を経て213kW(290hp)を発揮した。 この車両は、1955年1月30日のブエノスアイレス・グランプリでファンジオがドライブし、初めてレースに参戦。その年のイタリアグランプリでは、スターリング・モスが操縦し、レース最速ラップを記録した。 W 196 Rは2シーズンで、F1ポイント対象レース12戦中9勝を挙げ、さらに2つの非ポイントレースでも勝利。合計14戦11勝という圧倒的な成績を残した。 1964年にインディアナポリス・モーター・スピードウェイ博物館に寄贈されて以来、約60年間大切に保管されてきた。この車両は、ストリームライン・ボディを装着した完全なW 196 Rシャーシとして知られる4台のうちの1台だ。 モータースポーツの真のアイコンであるこの車両は、1955年イタリアグランプリ時の正しいモンツァカラーリングで展示され、当時の資料も豊富に残されている。
レスポンス 森脇稔