【新型フェアレディZ妄想ドライブ 前編】3.0Lツインターボは400psオーバー 車体、大幅改善の可能性
Zプロト、実車が動いたことの衝撃
text:Kenji Momota(桃田健史) photo:Sho Tamura(田村 翔) 【写真】妄想ドライブに供したクルマ2台+新型フェアレディZ【比べる】 (115枚) ついに、動くZ35の姿が公開された。 日産は2020年10月28日、日産オフィシャル・ソーシャルメディアを通じて「#フェアレディZプロトタイプに社長の内田が乗ってみた!」(英語:Nissan Z Proto CEO's test drive)という約4分間の動画を公開した。 舞台は、日産自動車追浜試験場「グランドライブ」(神奈川県横須賀市夏島1番地)だ。 秋晴れに恵まれた中、登場したのはイエローカラーが目に眩しい「フェアレディZプロトタイプ」だ。 左ハンドル車であることから、オンラインで記者発表された9月16日の後、期間限定イベント「日産パビリオン」(2020年8月1日~2020年10月23日)にて10月4日まで展示された車両である可能性がある。 筆者は日産パビリオンで実車を確認したが、インテリアを含めて「ほぼ量産」を思える出来栄えであり、デザインコンセプトとしての、いわゆるモックアップとは思えなかった。 まさに、いまにも走り出しそうな佇まいであった。 または、日産パビリオンでの展示車とは別に、複数台の試験車両がすでに存在するのかもしれないが……。 どちらにしても、次期Z(Z35)が実走する様子が見られたことは、世界のZファンにとって大きな衝撃だったはずだ。
新型Z(Z35)キーファクターは2つ
今回公開された「動くZ35」から、その実態を推測できるキーファクターが2つある、と筆者はみる。 V6ツインターボと、プラットフォーム(車体)だ。 動画の前半は、9月16日のオンライン会見で舞台に登場してトークショーに対応した、日産自動車・グローバルデザイン担当専務執行役員のアルフォンソ・アルバイザ氏と、チーフプロダクトスペシャリストの田村宏志氏が、内田誠社長にフェアレディZプロトタイプについての説明をするシーンだ。 この中で、発表記者時とは違う点がある。 それは、クルマとしてのファンクション(機能)とデザインとの関係性に対する細かい説明だ。 アルバイザ氏は、240Z(初代S30)の特徴である、低いリアエンドと長いボンネットを意識し、モダンな(デザインの)パッケージにするため社内議論を進めたとした。 これを受けて、田村氏はクルマ全体としてのパッケージングの大切さについて次のように語った。 「お客さまが期待しているZらしいデザインを維持しながら、ツインターボエンジンを搭載するのは、簡単ではありません。ストロング・ボディコンストラクション(強い車体剛性)も必要です」。 この時、田村氏は両手を大きく振りながら、車体の剛性とクルマ全体の動きとの関係を表現した。