【CL】リバプール先勝!「世界最恐」3トップとライプツィヒ3バックとの「質の差」
【チャンピオンズリーグ ラウンド16 1stレグ ライプツィヒvsリバプール 2021年2月16日(日本時間29:00キックオフ)】 【動画】ゴールを決めたリバプールのサディオ・マネ 昨季にCLベスト4に躍り出たライプツィヒとプレミア王者のリバプール、現在のドイツ2位とイングランド6位の対決は、終わってみれば質の差が結果に直結した。 ライプツィヒは最終ラインから組み立てようとするリバプールに対し、前線から積極的なプレスをかけ、ポジションやエリアによってはマンツーマン気味の対応で押し込めようとした。相手がアンカーのジョルジニオ・ワイナルドゥムを2CBの間に落として引きはがそうとしても、人の配置の妙で網を張る。14分には3トップの中央から自陣深いタッチライン際まで戻って助けになろうとするロベルト・フィルミーノに対し、ケビン・カンプルがアンカーの位置から飛び出して監視。ビルドアップを許さなかった。 その1分後には、ハーフウェーライン手前から持ち上がろうとしたリバプールCBオザン・カバクに2トップの一角であるクリストファー・ヌクンクがそのまま張りつき、自陣ゴール前まで戻りながらボールを奪い切ってしまった。自慢の個々のフィットネスを前面に、真っ向勝負を挑んでいた。
一方で、落とし穴も見えていた。ライプツィヒの3バックと、リバプールの「世界最恐」3トップの勝負である。早くも来夏のバイエルン・ミュンヘン移籍が公になったダヨ・ウパメカノの中央や、ウィングバックのタイラー・アダムスが守備に比重を置く右サイドは、まだ良かった。問題は3バックの左に入ったルーカス・クロスターマンだった。 本職はサイドバックだけに、決して「のろま」なわけではないクロスターマンだが、韋駄天相手には分が悪かった。モハメド・サラーに執拗に食らいついていたが、一瞬の加速に置いていかれる場面が目についた。例えば、24分の場面。自陣まで下がったサラーを追いかけ、ボールも奪い切ったものの、奪い返したリバプールのカウンターで、サラー経由でチャンスをつくられてしまった。 案の定、先制点を奪ったのはサラーだった。53分、バックパスのミスを見越したように動き出していた背番号11は、クロスターマンを置き去りにしてGKとの1対1の場面で決め切った。 もちろんこの場面、責められるべきはバックパスのミスではある。そこにも質の差は見えていた。 やや自陣に入った位置でこぼれ球を拾ったのはマルセル・ザビツァーだった。前半から攻守にチームの勢いに乗れていなかった様子の背番号7は、ここで判断を誤った。常にベクトルを前に向けているチームの中で、左に反転して縦にパスを送るべきところ、後ろを向いてしまった。結果、カーティス・ジョーンズの背後からの寄せに驚いたか、乱れたバックパスで“アシスト”してしまった。 逆に、縦への意識を見せていたのが、リバプールMFチアゴ・アルカンタラだ。昨夏の高額移籍金に見合う活躍はまだない、とイングランドでは評されるが、慣れたドイツ勢とのリズムの中では違いを見せていた。36分には、相手DFの乱れたパスを1タッチで強く叩いて、オフサイドで取り消されたものの、ゴールネットが揺れる場面を演出していた。