コロナ禍継続…救うのは「ブラックフライデー」?それとも「無買日」?
2020年はボーナスカットが予想される方も多いとおもいます。それでも、ブラックフライデーや歳末セールも開催され、つい財布のヒモが緩む時期です。世界的にこの時期は過剰消費に拍車がかかる時期でもあります。 このような過剰消費を疑問視する運動が世界的にひろまり、日本でも「無買日」という言葉が出回っています。今回は「無買日」の背景やメリット、またコロナ禍での影響について考えます。
過熱する「ブラックフライデー」と過剰消費
11月になると「ブラックフライデー」という言葉をつかったバーゲンセールをよく見かけるようになりました。本来、ブラックフライデーとはアメリカでは11月第4木曜日、サンクスギビングデー(感謝祭)の翌日の金曜日のことをいいます。 昔はこの日からホリデーシーズン用品が店頭に並び始め、ホリデーショッピングが始まる日でした。今はホリデーショッピングというよりも小売業者が1年で最も大規模なバーゲンセールを行なう日、というイメージの方が強くなっています。 ブラックフライデーでは、早朝から大勢の消費者が店頭に長蛇の列をなして並び、開店と同時に我先にと目的の目玉商品の所へ走ったり、商品を取り合う姿が毎年テレビやネットなどで流されています。この日を恒例行事として戦利品を手にした満足感や、賑わうお祭り気分を楽しもうという人も少なくありません。 小売業者にとっても、この日は1年でもっとも売り上げの多い日となるので、あの手この手で消費者を引き付けて、何とか売り上げを伸ばそうと必死です。 最近はブラックフライデーウィークエンドとし、実店舗でのセール期間を延ばしたり、また、そのウィークエンド明けの月曜日には「サイバーマンデーセール」というオンラインでのセールを行ったり、特にその金曜日だけということではなくなりました。
「無買日」とは?
次第に、ブラックフライデーの過熱ぶりは「近代の過剰消費文化に拍車をかける一因」として問題視されるようになりました。 実は1997年カナダにおいて、この過剰消費文化の象徴でもある「ブラックフライデー」に対して、消費主義への国際的な抗議の日として「Buy Nothing Day (何も買わない日)」を設定するようになりました。そして欧米各地で様々なイベントが行われているようです。 そもそもこの運動は1992年、カナダのアーティスト、テッド・デイヴの発案により、「アドバスターズ」という雑誌を発行する環境団体によって創始されました。1997年に「ブラックフライデー」を「Buy Nothing Day」とすることになり、その運動は世界中で広まっています。 日本でも「無買日」といわれ、特にブラックフライデーと決められてはいないようですが、少しずつ知られるようになっています。無買日はただ単になにも買わない日、というだけではなく、個人の消費態度を考えなおす日でもあります。