“個性”を活かす時代にいち早く成功!? 『ごくせん』から振り返る、速水もこみちの役者道
先日、速水もこみちが自身の公式Instagramで過去の宣材写真を公開。年末に『ごくせん』第2シリーズ(日本テレビ系)が再放送されるというニュースが出た翌日のことだった。 【写真】速水もこみち、10年ぶり連ドラ主演で“超ドM社長”に 速水と言えば、朝の情報番組『ZIP!』(日本テレビ系)内の人気料理コーナー「moco's キッチン」を8年間にわたり担当していたことから、今や役者よりも料理人のイメージの方が強い人もいるかもしれない。 その彼がここまで売れるきっかけとなった作品こそが、前述の『ごくせん』第2シリーズだ。当時20歳の速水は本作で、喧嘩っ早い黒銀学園の生徒・土屋光を演じた。学ランを着くずした野性味あふれる姿に、長身を生かし上から人を見下ろす様子など、不良らしい威圧感を存分に発揮し、小田切竜(亀梨和也)や矢吹隼人(赤西仁)と共に人気を博す。喧嘩ばかりの土屋は、その実、真っ直ぐで素直なところもありどこか憎めない存在だ。第4話では、黒銀学園の学校見学に訪れた女子生徒を庇うなど、面倒見の良さも発揮する。 土屋役を好演したことにより知名度を上げた速水はその後、『ブラザー☆ビート』(TBS系)、『レガッタ~君といた永遠~』(テレビ朝日系)、『東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~』(フジテレビ系)、映画『ラフ ROUGH』(2006年)など様々な作品に出演。俳優としてのキャリアを積んでいく。186cmの長身にかなりの小顔であり、その圧倒的な外見からいわゆる「イケメン役」に抜擢されることが多く、『絶対彼氏~完全無欠の恋人ロボット~』(フジテレビ系、『絶対彼氏』)ではその“完璧”なイメージを生かしてイケメンロボット役を演じたことも。『絶対彼氏』公式サイトの番組紹介には、「“人間離れ”した美しさを持つ速水もこみちが『完璧(かんぺき)なイケメン恋人型ロボット』役に挑戦」との記載もあり、一時代のイケメン枠として、その美しさがいかに広く認知されていたかがうかがえる。 そんな速水は大好きなイタリア料理の腕を生かし、更なるキャリアを切り拓くことに。2010年にレシピ集『速水もこみちが作る50のレシピ きみと食べたら、きっと美味しい。』(マガジンハウス)を発売し、料理が得意であることが世間に知れ渡る。抜擢された『ZIP!』の「moco's キッチン」は、高い位置から豪快に“ファサ―”と振る塩や大胆なオリーブオイルのかけっぷりから、たちまち人気コーナーに上り詰める。クオリティが高い上にめずらしい食材を扱うことも多く、それまで家庭料理で出番の少なかったオリーブオイルを大量に使用したことでも話題になった。速水が料理をする姿はまさに“男前”。美しい速水が今にも食べたくなるような美味しそうな料理を作ることで、多くの視聴者を虜にした。数々のレシピ本出版に加え、「moco's キッチン」が終了した2019年にはYouTubeチャンネル『M`s TABLE by Mocomichi Hayami」を開設し、料理の場をウェブ上に移行する。 2021年にはテレビ東京ドラマ24『バイプレイヤーズ~名脇役の森の100日間~』への出演も決まっている速水は、まさに特技を生かし長く活躍し続ける俳優の一人だろう。今や俳優やタレントも演技力やトーク力に加え、個人発信の分野でも様々なものが求められる時代だ。速水はそんな“個性”を活かす時代にいち早く乗り成功した人物でもあるだろう。そしてさらなるステップへと今も羽ばたき続けている。
Nana Numoto