「PCもネットも電車代もない」コロナ失業した子育て貧困家庭を待ち受ける再就職の壁
コロナ失業8万人時代。最も深刻な影響を受けているのが、子育て中の困窮家庭の親たちだ。減収に失業……。 【全画像をみる】「PCもネットも電車代もない」コロナ失業した子育て貧困家庭を待ち受ける再就職の壁 再就職への意欲はあっても、「ネット環境がない」「テキストが買えない」「交通費が払えない」ため、情報にアプローチすら出来ずにいるのだ。また、国や行政による就労支援にも大きな壁があった。
失業、うつ、家族の関係悪化の負のスパイラル
困窮家庭の子どもたちへの学習支援などを行ってきたNPO法人キッズドアは1月13日、記者会見を開き、全国の同団体利用者で、高校生までの子どもを持つ保護者1233人を対象に、コロナの影響について行ったアンケート調査の結果を発表した(調査期間は2020年11月から2021年1月まで)。 休校などで子ども関連の支出が増える一方、保護者は「減収」や「失業」、そして「再就職できない」ことに追い詰められていた。 ・派遣社員だった為、人員削減で失業。 ・契約社員だったが、コロナの影響で契約が終わった。 ・昨年、病気で退職。就職活動をしようと思ったところコロナで困難になった。 ・もともと学歴が無く応募できる求人が少ないのに、追い討ちで仕事が見つからない。 ・離婚した夫がコロナで影響を受け、養育費が滞っている。再就職先を見つけるのも困難。 ・自粛期間があったため、いつも以上に食費や光熱費がかかり大変。自粛期間中など就労相談機関も自粛していたので、相談も出来なかった。 (アンケートより) 減収や休業の背景には、精神不安も大きく影響している。 ・仕事が減ったのと、子供が不登校になったりで、ストレスで病気になり仕事を休業している。 ・自分がうつを発症、息子2人は不登校。職場の減収と自分の体調と家庭環境により、年収4割減の見込み。 ・会社が休業。娘もオンライン授業でいらだち、親に当たったり深夜徘徊するなど心配ごとが増え、精神的に追い詰められた 。(アンケートより) アンケートに回答した保護者らは、年収200万円未満が49%、300万円未満が33%。貯蓄額は40%が10万円未満で、56%が非正規雇用。さらに87%が母子家庭だった。