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三谷幸喜、香取慎吾の魅力を「喜劇俳優として僕は全幅の信頼をおいている」<誰かが、見ている>

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ザテレビジョン

香取慎吾が主人公・舎人真一に扮(ふん)し、三谷幸喜が脚本、演出を手掛けるシチュエーションコメディー(シットコム)「誰かが、見ている」が9月18日から、Amazon Prime Videoで独占配信される。 【写真を見る】主人公・舎人真一というキャラクターについて語る香取慎吾 本作は、Amazonが企画から参加した日本オリジナルドラマシリーズの第1弾。常人の想像を遥かに超える失敗を繰り返す舎人(香取)と、偶然書斎の壁に発見した穴から彼の日常をのぞき見する隣人・粕谷次郎(佐藤二朗)を中心に、毎回びっくりするような珍騒動が展開される。 WEBザテレビジョンでは、三谷と香取にインタビューを行い、作品への思いやシットコムの楽しみ方、ステイホーム期間中に改めて考えたことなどを語ってもらった。 ――本作の構想は以前からあったものなんですか? 三谷:まず最初に、香取さんで何かをやりたいという思いがありました。その後、Amazonさんで配信という形でやるということが決まって、じゃあ香取さんでどんな話ができるのか。どういうキャラクターがいいのかを考えていきました。 僕の芝居はせりふ劇が多いんですけど せりふで表すだけではなくて動きや表情、シチュエーションで面白く見せたいなと。配信ということで世界に向けてという思いもちょっとあったものですから、例えば香取さんが一人で部屋にいるだけで面白くなるような設定にするにはどうすればいいのかというところから“舎人真一”というキャラクターが生まれたんです。配信ありきのアイデアですね。 ――ストーリーのアイデアはどこから? 三谷:「誰かが、見ている」とタイトルにもなっていますけど、全然社会に適応できない舎人という男がいて、自分が全く知らないところで世界中の人たちを幸せにしている。最終的には、そんな彼自身の再生というか復活していくような物語をやりたいなと思いました。 ■ 三谷幸喜、新しい形のシットコムをやってみたい思いがあった ――シットコムという形にした理由は? 三谷:シットコムって本来は1話完結なんですよね。どんなに主人公がいろんなことを経験しても、次の回になったら全部リセットされていて成長がない。でも、最近は全話まとめて見たいという人が多いらしいんですよね。だから、今回も全8話を一気に配信すると。それなら、1本目見たら最後まで見ないと気がすまなくなるような連続性のあるストーリーにしようかなと思ったんです。舎人が少しずつ世界的に有名になっていって最終的にどうなるのか。新しい形のシットコムをやってみたいという思いがありました。 ――香取さんは、脚本を読んでどう思いましたか? 香取:三谷さんとご一緒させていただく時はいつもそうなんですけど、読む前からワクワクが始まっているんです。 三谷:それは、読む前からどんな役でもやるって決めていたということ? 香取:もちろん、そうですよ。脚本を読んでも楽しくて「あ~、もう読み終わっちゃった。早く次の話が読みたいな」って。それは、撮影していた時も完成したものを見た時も同じで「もう、終わっちゃったんだ」と思うぐらい面白い。早く次が見たくなる作品です。 ――これまで、三谷作品では振り回される役が多かったですけど、今回は逆パターン。舎人というキャラクターを演じた感想は? 香取:今回は振り回してもいい役ということで、最初に脚本を読んだ時は引っ掛け問題なのかなって思いました。脚本には書かれていないし、三谷さんからも何も言われていないんですけど「あなたこの意味、分かりますよね?」って「この役の裏には、こういうテーマがありますよ」って問い掛けられているような気がして。ほんとに振り回していいんですかって思いながら演じていたような気がします。 三谷:でも、引っ掛けじゃなかったからね。 香取:そうなんです。ほんとにいいんだなって分かり始めてからは段々と爆発させてゆくことができました。すごく楽しかったです。 ――今回の作品で、香取さんの新たな一面を発見したところはありますか? 三谷:第1話でソファの位置をずらすシーンあって、その時に手がソファの隙間に挟まって抜けなくなるという芝居があるんです。最初は片手だけだったのが、必死に抜こうとしているうちに両手が挟まり、ついには足までも…という流れなんですけど、もともと台本にはなくて現場で考えたシーンなんですね。何かもう少し面白いことができないかなと思っていた時に香取さんが「ソファに手が挟まるっていうのはどうですか?」って言ってくださって。そこからどんどん広がってできたシーンなんです。 ソファに手が挟まったという芝居を3分ぐらいやっているんですけど、あの芝居は本当に力のある人じゃないとできない。これはネタバラシというか当たり前のことなんですけど、実際は挟まっていないんですよ。挟まっている芝居をしているだけ。抜こうと思えば抜けるんですけど、きちんと挟まっているように見せながらちゃんと笑わせてくれる。あれができるのは志村けんさんか香取さんぐらい。ご本人はどう思っているか分からないですけど、喜劇俳優として僕は全幅の信頼をおいています。 ■ 香取慎吾「舎人を演じていることが好きです」 ――香取さん自身、今回の作品を通して発見したことはありましたか? 香取:発見ですか? う~ん、完成したものを見て、こいつ面白いなって思いました(笑)。自分で面白いと思えることって大事だなと。やっぱり、いろいろ好きなところがあるし、こうやって改めて話をしていると、あのシーンを見てほしいという思いがどんどん出てくる。こういうことを言うのは恥ずかしいですけど、舎人を演じていることが好きですと素直に言えます。 ――セットで工夫した点は? 三谷:シットコムというのはワンシチュエーションですから部屋が大切というか主役の一つだと思っています。そういう意味では普段のドラマよりインテリアを含めてどんな部屋にするのかスタッフと綿密に打ち合わせをしました。 シットコムの場合はカメラが部屋の中に入っていかないので一方向からしか撮れないんです。ドラマだとセットを全部作っちゃうんですけどシットコムは片方の壁がない演劇的空間なので、奥行きをはじめ見せ方をいろいろ工夫しました。 ――ちなみに、お二人が好きなシットコムは? 三谷:僕は「奥さまは魔女」「アイ・ラブ・ルーシー」「じゃじゃ馬億万長者」といったシットコムで育った世代。「フルハウス」「となりのサインフェルド」も面白いですよね。香取さんは世代的に「フルハウス」ですか? 香取:僕はほとんど見ていないんです(笑)。うっすら知っているから何回かは見ているんでしょうけど、全話通してとかあれが好きなんですというのはないですね。あるとしたら以前三谷さんとやらせていただいたドラマ「HR」(2002-2003年、フジテレビ系)。18年も前の作品らしいんですけど、その時にシットコムという形を知った感じです。 三谷:アメリカの作品も好きだけど、イギリスの「フォルティ・タワーズ」や「ジ・オフィス」というちょっと新しい形のシットコムも好きですね。 ――新型コロナの影響でステイホーム期間が長く続き、エンタメ業界も大きな影響を受けましたが。この数カ月間はどんなことを考えていましたか? 三谷:新しいものに対して拒否反応というわけではないんですけど、億劫になっている部分がありました。ただ、リモートドラマであるとか、僕の作品も見ていただいているZoom演劇とか、ジャンルが増えていくのはいいことだと思いますし、それぞれ魅力的で面白いなと。その中で、最終的に何が一番大事なのかといったら、結局は物語の面白さに尽きるんじゃないかということに立ち戻ったんですね。どんなに新しい受け皿ができたとしても話が面白くなかったらどうにもならない。そういう当たり前のことに改めて気付きました。その思いは今回の作品にも反映されているような気がします。どういう形で皆さんの目に留まるかは置いといて、これから僕らがやらないといけないのは魅力的な物語を作ること。そこに行き着きました。 ――そういう意味では香取さんとのタッグは心強い? 三谷:そうですね。やっぱり、今回ご一緒して分かったのは、僕がこんな風になるといいなと思って作ったものを思い通りに、もしくはそれ以上にやってくれる俳優さんという意味で香取さんは得難い人。今回は舎人の一人芝居の部分が結構あるので、台本で書ききれないものをリハーサルや収録をしながらその場で作った部分も多かったんです。その僕の思いを瞬間的に理解して表現できる。そのどちらもパーフェクトな俳優さんは香取さんしか知りません。 ■ 香取慎吾「自分も進まなきゃいけないんだと思わせてくれた」 ――香取さんはどんなことを考えていましたか? 香取:新しい地図のファンミーティングで全国を回る企画や、4月に行う予定だったさいたまスーパーアリーナでのソロライブがなくなったりして。自分の中ではあまりないことなんですけど、ちょっと下を向きそうになってしまいました。自分の人生や仕事、エンターテインメントはこれからどうなっていくのか。いろいろなことを考えて結構気分が沈んでいました。 改めて気付いたのは、僕は人との付き合い方が結構近いなと。仕事の打ち合わせも電話で済むところをわざわざ足を運んで直接話したり、感謝の気持ちを表したい時に握手をさせてもらったり。今思うと“密”なんですよ。でも、これからはそういう接し方も変えていかないといけないのかなって。元に戻るかどうかは分からないですけど、今は新しい生活様式に対応していかないといけないんだろうなと。そんな中で、三谷さんがPARCO劇場で舞台をやるということを知った時は背中を押されたような気がしました。自分も進まなきゃいけないんだと思わせてくれました。 ――最後にメッセージをお願いします。 三谷:新しいものをやろうと思ってスタートした企画ですので手応えはあります。 香取:また、三谷さんと一緒にシットコムができて最高です。僕はもう視聴2週目です。こんなに自分の作品を見返したことはないかも。 三谷:あれ、大河ドラマ「新選組!」(2004年、NHK総合)は? 香取:「新選組!」はもちろん…1回ですよ(笑)。あれは長いじゃないですか。今回の作品は、また配信が始まったら見ると思います。皆さんにも好きな回を探しながら見てほしいです。 三谷:地上波とは違う配信という形でのドラマ作りはすごく新鮮でした。何もかもが新しい世界でやらせてもらっている感じが楽しかったです。(ザテレビジョン・取材・文=小池貴之)

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