なにわ男子 西畑大吾の“生きててよかった”瞬間「5万5000人の前に立ったとき、ずっと終わりたくないと思いました」
「優しいおじさんに囲まれた現場でした(笑)」
主演・米倉涼子を筆頭に、岸部一徳、内田有紀、西田敏行、遠藤憲一、鈴木浩介、勝村政信らベテラン俳優陣が集結している本作。西畑は「『ジモトに帰れないワケあり男子の14の事情』(2021/朝日放送テレビ系列)でも共演した勝村政信さんには、特別ドラマ『ドクターY』でも『劇場版ドクターX』でも、とってもお世話になりました」と振り返る。 「当時も勝村さんとの二人芝居で、がっつり共演させてもらって。一日ずっと一緒だったので、たくさんお話させてもらったのを覚えています。勝村さんが現場にいらっしゃるだけで、すごく安心感があるんですよ。当時も『またいつか共演したいね』と話していて、今回実現したので、とても心強かったですね。勝村さんはもちろん、鈴木浩介さんも遠藤憲一さんも、ほんと優しいおじさんばっかりで、ほんまに!(笑)一応、皆さんの前では『お兄さん!』って言ってたんですけど、『お兄さん呼びはやめて、おじさんでいいから!』って言われてました(笑)」 日頃はなにわ男子の年長組としてチームを俯瞰しつつ、崩すところは崩すバランス感覚が魅力な西畑。一回りも二回りも先輩の役者陣に対しても、心を掴み場に溶け込む術を心得ているのだろう。主演・米倉涼子についても「圧で場をまとめるんじゃなく、自然と包み込むように巻き込んでいく力のある方」と印象を語る。 「堂々たる主人公・大門未知子のイメージを大事にしつつ、米倉涼子さんご本人の人柄ありきで現場の一体感が仕上がっている感じでした。新参者の僕に対しても『なんて呼ばれてるの?』って気さくに話しかけてくださって。『大ちゃんって呼ばれてます!』と言ったら、それ以降、米倉さんや内田さんから大ちゃんって呼んでいただけるようになって……。もう、間違いなく生まれてきたなかで一番嬉しい大ちゃん呼びでしたね!(笑)」 ベテラン陣の凄さは、撮影期間中、ほぼ毎日現場に差し入れが届いていたことからも察しざるを得なかったという。「食べすぎて、ほっぺたのあたりとかちょっとプクッてなってたと思いますもん」と嬉しい悲鳴をあげていた。 「手術シーンはマスクをしてたから、セーフだったと思うんですけどね。それこそほかのキャストの方々もマスクをしてらっしゃいましたけど、だからこそ目の動きや、視線で作りだす表情によって感情を表しているのが、ほんまにすごかった! 本番前のリハーサルの段階ともまた違った、緊迫感のある白熱さに満ちた演技をされていて、その場にいた僕も心が動きました。本物の医療現場でも、こういった感情になるんだろうなと想像しながら、僕も目元での演技を意識しました。皆さんについていくので精一杯でしたけど……!」 周囲のキャストへのリスペクトを忘れず、その場を冷静に観察し、学び得たものを即座に吸収していく。西畑自身は当然のことのように言葉にするが、誰しもが簡単にできることではないだろう。持ち得たバランス感覚や集中力、貪欲さを表に出さず、先輩俳優たちへの敬意、そして作品に参加できた感謝を常に滲ませる姿勢は、現場でも存分に発揮されていたに違いない。