JALのCA、成田エクスプレスで“機内サービス”JR東日本系旅行会社が企画
旅行会社のJR東日本びゅうツーリズム&セールスは12月21日、日本航空(JAL/JL、9201)の客室乗務員がJR東日本の特急列車「成田エクスプレス」の車内で“機内サービス”するツアーを開催した。びゅうツーリズムがJALと共同企画を実施するのは初めてで、成田空港ではJALの格納庫見学なども行われた。 【写真】成田エクスプレスで“機内サービス”するJALのCA齋藤さん ツアーは先着順で40人分を販売。新宿駅を午前9時5分に出発する成田エクスプレス13号の1号車を貸し切り、JALの客室乗務員、齋藤綾花さんが機内アナウンス風の案内や、弁当を機内食のように各席に配り、参加者は鉄道に乗りながら“空の旅”を体験した。 成田エクスプレスで使用している車両は、1991年3月から2010年6月まで投入していた253系、2009年10月から使用中のE259系とも、車内のシートは黒を基調に赤があしらわれたデザインで、JALの国内線「クラスJ」のような色使いで、齋藤さんは荷物棚に置かれた参加者のバッグなどにも目を配っていた。 ツアーを企画した、JR東日本びゅうツーリズム&セールス エスコート商品部の徳井貴志さんは「成田市制70周年もあり、同じく70周年を迎えたJALさんに相談しました。最近は列車のサービスが減ったこともあり、移動も楽しんでいただきたいと企画しました」と話す。 JAL側で窓口となった東京支社法人販売部の野村瑛斗さんによると、春ごろから調整をはじめ、準備には半年程度かかったという。「客室乗務員の所作ひとつをとっても、機内らしくすることにこだわりました」(野村さん)と、鉄道でのサービスであっても、JALらしさを参加者に感じてもらえるようにした。 車内でサービスした齋藤さんは、「成田エクスプレスでサービスしたJALの客室乗務員は、私だけかもしれないですね」と感想を話す。普段の乗務では上空で揺れるところをあらかじめ想定して機内サービスをしているといい、飛行機と鉄道の揺れ方の違いは印象に残ったという。 2019年入社の齋藤さんは、国際線に乗務し始めた直後にコロナによる大量減便を経験。「国内線ではお客さまが4人というフライトも経験しました。こうして満席のお客さまの笑顔を見ながらサービスできてうれしかったです」と笑顔を見せた。 空港第2ビル駅で成田エクスプレスを下車した参加者は、成田空港の「ランプセントラルタワー」や関係者以外立入禁止の「制限区域」といった非公開エリアや、昼食を挟んでJALの格納庫を見学。昼食は、JALグループが空港近くで運営する古民家風レストラン「DINING PORT 御料鶴(ごりょうかく)」で、国際線エコノミークラスで提供されている機内食を味わうとともに、客室乗務員のお仕事紹介なども開かれた。 今回のツアーは、旅行代金が大人3万9500円、子供3万6500円だった。びゅうツーリズムの徳井さんによると、今後もJALとのコラボイベントを企画していきたいという。
Tadayuki YOSHIKAWA