神戸が天皇杯制覇で2季連続のタイトル 下部組織出身の佐々木「クラブが前進している」
神戸1-0G大阪(サッカー天皇杯決勝=23日) 神戸の山口主将が伝統のトロフィーを掲げると、スタジアムが大きな歓声に包まれた。クラブにとって3個目、昨季のJ1に続いてクラブ史上初となる2季連続のタイトル獲得。吉田監督は「タイトルを取り続けなければいなかった」と安堵感をにじませた。 決勝点が生まれたのは後半19分だった。ロングボールに佐々木が競ったこぼれ球を大迫が拾う。左サイドを駆け上がった武藤がパスを受けて中央へグラウンダーのクロスを送ると、相手DFに当たったボールを「信じて走った」と詰めた宮代が押し込んだ。 総力戦で勝ち切った。J1で優勝争いを引っ張っているうえ、9月からはアジア・チャンピオンズリーグ・エリートも戦っている。ターンオーバーでやり繰りしながら結果を出し、指揮官は「過密日程で難しいシーズンだが、誰が出てもみんなで勝つ力がついている」と胸を張る。 中長期的なクラブの成長も示す優勝になった。下部組織出身の佐々木は「上位争いもできなかったのに、昨年のJ1優勝で終わらずに2年連続でタイトルを取れたのは感慨深い。今年もJ1で優勝を争っていて、クラブが前進しているのを感じる」と喜んだ。 2試合を残すJ1は2位以下に勝ち点差3をつけて首位に立ち、次節にも連覇が決まる。「どれだけ大舞台でチームを勝たせられるかで自分の価値は決まる。J1連覇に向けて頑張りたい」と宮代。次はクラブ史上初となる1シーズンでの複数タイトル獲得に挑む。(奥山次郎)