<コロナ禍のパレスチナ写真報告1>封鎖下のガザの子どもたちは今「以前のように勉強したい、遊びたい」(写真5枚)
◆8月末から「ロックダウン」
ガザでは14年間にわたって、イスラエルによる封鎖が続き、許可ある人しか出入りができない。そのためもあり、ガザ地区ではこれまでは新型コロナウイルスの封じ込めに成功していた。しかし8月24日、初の市中感染者が出て、「ロックダウン」が始まった。10月に入り、一部が解除されたが、ガザでは学校はいまだ休校だ。自宅待機を余儀なくされている子どもたちに聞いた。撮影・取材はガザ現地の人たちを通して行った。(構成:古居みずえ/アジアプレス)
◆学校は休校 自宅待機中の子どもたち
中学2年生のアマルさんは「家ではコロナの絵を描いて遊んだり、コーランを暗記したりしている。学校に行くことができないから、友達に会えないし、友達のところに遊びにも行けないから寂しい」と言う。 一緒にいた、いとこのハーシムくん(13歳)は「外出禁止令が続き、通りで遊ぶことも、学校へ行くことも、床屋に行くこともできない。家にいるのはとても退屈だ」。ガザの家族は大所帯のため、家も狭い。外に出られない子どもたちはストレスを抱えているという。
ほとんどの家庭は貧しいため、コンピュータを持っておらず、電力不足でインターネットにアクセスできないため、オンライン教育ができない。大学も講義がストップしている。 小学校教師リハーブさん(48歳)は言う。「生徒たちが休みの間、教師は授業にあわせて母親と生徒に宿題を与えています。外出禁止令は大きな問題です。子どもたちの中には、退屈、うつの症状を持つ子もいます。そしてこのウイルスが感染することを子どもたちは非常に恐れています」
◆通りの壁には新型コロナの感染症対策の文字
日本では「3密を避けましょう」といわれるが、パレスチナでは通りの壁に感染症対策が描かれる。 「コロナパンデミックに立ち向かう全国委員会」は、コロナの蔓延を警告し、住民の意識を高めるために、通りにいくつかの指示を書いた。 「住民はマスク着用と人と人の距離をあけることを確認してください」 「患者ごとに一人のエスコートとする。それは混雑を減らし、医療関係者が仕事をすることを可能にします。あなたを助けるために、私たちを助けてください」 「あなたの無謀さはあなたの愛する人を殺します」 「口論を避け、社会的距離を保ち、清潔を身に着け、定期的に手を洗ってください」
◆子どもも外ではマスク
パレスチナの子どもたちも外でマスクをし、家に帰ったら手洗いをしている。今までガザではマスクは病院の医者や看護師がしているぐらいで、一般市民がつけているのは見たことがなかった。バイクで通りを走る親子もマスクをつけている。