2025年にはリターンの低下に備えるべき…ウォートン校のジェレミー・シーゲル教授が指摘(海外)
ジェレミー・シーゲル教授は、S&P500の成長率が来年10%以下に止まるだろうと述べた。 また、大型ハイテク株の2025年のリターンは横ばいになると予想している。 一方で、過小評価されている小型株や中型株は上昇するという。 ペンシルバニア大学ウォートン・スクールのジェレミー・シーゲル(Jeremy Siegel)教授は、2024年12月2日のCNBCでのインタビューで、S&P500はこの2年間の猛烈な上昇相場を経て、2025年は勢いがなくなるだろうと語った。 「2025年はずっと静かになると予想している。2023年と2024年は非常に好調だったが、2025年のS&P500(の成長率)はおそらく0から10%の範囲になるだろう」と述べ、市場を支配するハイテク株のリターンは来年「横ばい」になる可能性があると付け加えた。 ベンチマークであるS&P500は、2024年に入って26.5%の上昇を見せている。アメリカ国内および世界の投資家がAI関連の大型株への投資を進めたことが、2桁の上昇を後押しした。このAIへの熱狂によって一部のハイテク企業株が急騰し、S&P500の上昇がこれら企業の業績に大きく依存する結果となった。 しかしシーゲル教授によると、アマゾン(Amazon)やエヌビディア(Nvidia)、メタ(Meta)などの「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる銘柄は現在、伸び悩んできているという。 「おそらく今回は、ここ2年間、市場を牽引してきた大型成長株に相対的な軟化が見られるかもしれない。S&P500の構成銘柄のうち、3分の1はこれらの大型成長株だ。そのため、もし来年それらの株が失速するか、実際にほとんど成長しなければ、2023年や2024年に見られたようなリターンをS&P500が達成するのは難しくなるだろう」 一方、バンク・オブ・アメリカ(Bank of America)は、ハイテク株取引が循環的なピークに向かう可能性を示唆した。2025年は債券利回りに大きく左右され、金利上昇がリスク資産のパフォーマンスを抑制する可能性が高いという。 ハイテク株は今年、S&P500の大きな起爆剤となってきた。そしてドナルド・トランプ(Donald Trump)の大統領再選により、ここ数週間はさらに上昇している。 投資家は、次期大統領が相場を活性化する政策を実施し、見過ごされていた小型株などの資産の価値を押し上げると期待している。
Filip De Mott