韓国「食の安全」置き去りの実態、食品大手でも不衛生なキムチ製造が発覚
韓国在住の筆者が久しぶりに日本に一時帰国して驚いたのは、日本で食べられる韓国料理の種類が増えたことと、スーパーで容易に韓国食材が購入できるようになっていたことだった。「辛ラーメン」で知られる農心は、海外市場進出に力を入れ、「日本を抜いてグローバルでNo.1になる」と意気込んでいる。確かに韓国の食の品質は大きく向上してきているが、看過できない根深い問題も抱えている。(韓国在住ライター 田中美蘭) ● 日本で食べられる韓国料理のバリエーションが増えてきた 日本人が韓国料理と聞いてイメージするものと言えば、「焼き肉」「ビビンパ」「冷麺」「参鶏湯(サンゲタン)」といったあたりだろうか。最近では、フライドチキンに甘辛いソースをからめた「ヤンニョムチキン」や、コチュジャンで鶏肉や野菜をピリ辛に炒めた「タッカルビ(鶏カルビ)」、そこにチーズを入れて味をまろやかにした「チーズタッカルビ」など、いわゆるB級グルメも広く知られるようになった。 今年のゴールデンウイーク、コリアンタウンがある東京の新大久保は多くの人でにぎわい、韓国グルメを楽しむ姿が見られた。こうした外食で楽しめる韓国グルメの人気は相変わらず根強いが、さらに最近は家庭向けの韓国食品も広がりつつあるようだ。
● スーパーでも豊富な韓国食材が売られている 筆者は韓国在住なのだが、先日、2週間ほど日本に一時帰国をした。その際にスーパーで目に付いたのが、韓国食品のラインナップの豊富さである。以前から日本のスーパーでも韓国の食材は売られていたが、種類はごく限られたもののみ。韓国食材の多くは、ネット販売やアジア食材の専門店でないと買えなかったことを思うと、これは大きな変化である。 近所の大きなスーパーでは、インスタントラーメンや冷麺といったおなじみのものから、「えっ、こんなものまで」と思うような意外な商品まで実に20種類近くの品ぞろえ。人気なのか、品切れになっている商品もあった。 さらには、韓国の大手食品会社CJフーズのブランドである「bibigo(ビビゴ)」の冷凍食品として、焼きギョーザや水ギョーザ、ヤンニョムチキン、ホットクなどが売られているのも目にした。冷凍食品のクオリティーの高さを誇る日本で、韓国の冷凍食品を販売するという強気な姿勢に驚かされたが、こちらもそれなりに売れているようだ。 日本の友だちに話を聞いてみると、「ここ1~2年で韓国の食品がさらに増えた」「インスタント食品だけでなく、粉末調味料や韓国海苔も種類が豊富」「冷凍食品も思っていた以上においしく、リピートもしている」と、筆者と同じ印象。味の評価もまずまずなようだ。数年前に比べ、「韓国企業の食品は確実に日本でも増えている」という印象を受けた。